上流はヨガや登山、下流はゲームやマンガ
階層意識による消費の差が顕著になるのは、まさにコト消費である余暇行動である。
階層意識別の余暇行動を見ると、「中の上以上」(上流)では、ヨガ・ピラティス・太極拳、スキー、ジョギング、ハイキング・登山、ウォーキングが多いなど、日常的に健康管理をしていることがわかる。予防的ケアが行われているのである(図表2)。
参加率が高いのは温泉、リゾート地、観光・名所めぐり、遊園地やテーマパークなどのレジャー施設であり、階層意識と参加率に比例関係がある。
他方、下流が上流より多いのは、パソコン、ゲーム、マンガ、録画やDVDレンタルでの映画鑑賞であり、階層意識が下がるほど内向的になっていく。
「中の中」と「中の下」の間に分水嶺
海外旅行に行かない人が7割を超えるのは「中の下」以下であり、数年に1回が2割を超えるのは「中の中」以上である(図表3)。
年に1回以上だと「中の上以上」と「中の中」にも2倍の差が生ずるが、それは別とすれば、「中の中」と「中の下」の間に大きな分水嶺があると言える。
しかし、今回のコロナ危機では、外出が大きく規制されたわけで、上流ほどしがちな旅行、なかでも海外旅行、あるいはスポーツ、各種の観戦、観劇など、外出して楽しむ余暇行動が大きなダメージを受けたのである。
むしろ、もともと家にこもってマンガを読んだりDVDを見たりゲームをしたりしている相対的に下流な人たちは、影響が少なかったわけだ。