【悩み3】発言しない人がいる

会議がオンラインになって若手も参加させるようにしました。せっかくの機会なので、時々発言を求めるのですが、「特にありません」「大丈夫です」で終わってしまいます。話を引き出すよい方法はないものでしょうか。

【解決策1】安心安全の場になっているか

「会議なんて意味がない」と思っている若手は少なくありません。まずは、「何のために会議をするのか?」「なぜ、若手も参加するようになったのか?」「なぜ、時折意見を求めるのか?」など、意味をしっかり伝えるようにします。問題解決に若い人の視点が欲しいとか、若手にとって考える訓練になるとか。

その上で、「思いつかなかったら後でもよい」「何を言ってもかまわない」と伝え、安全を担保してあげることです。発言できなくても、意にそぐわない意見でも、関係性において不利益を被らないのが、本当の心理的安全性です。

オンライン会議を「小学校の授業を思い出す」と言った人がいました。

雁首そろえて座り、先生から常に監視され、時折名指しで回答を求められるからです。しかも、学校時代のような「分かりません」は通用せず、妙なことを言うと心証が悪くなります。人によってはかなりの緊張が強いられる場となります。

ランクの高い人がフラットで民主的な場だと思っていても、低い人はそう受け取っていないかもしれません。「話すチャンスを与えている」と思っていても、「無理やり言質を取ろうとしている」感じているかもしれません。

「人権を尊重する」「多様性を歓迎する」といった、基本的な価値が共有されてこそ、オンライン会議の良さが活きてきます。そのことを肝に銘じておきましょう。

【解決策2】意見を言わなくても貢献できる

おそらくこういう状況では、気の利いた意見を述べるよりは、みんなの前で話す経験をさせることが先決だと思います。内容は何でもよいので。

たとえば、事前にネットや書籍を使った情報収集を頼んでおきます。あるいは、クライアントにインタビューをして生の声を集めるように言っておきます。そんな宿題を課しておいて、「どんなことが分かった?」「一番、印象に残った話は?」と質問するのです。

調査報告や情報提供だと自分の考えを述べる必要がありません。意見を言うより気楽に話ができます。その上で、「なぜ、そう思ったの?」「それは何を意味しているのかな?」と解釈や考察を尋ねるようにするのです。

こうすれば、会議に貢献できると同時に、考えるトレーニングにもなります。その場ですぐに話せないなら、レポートにしてから説明するのでもかまいません。

あとは、「勉強になった」「知らなかった」「さすが若手は違う」「君らしい報告だったよ」とポジティブなリアクションで勇気づけてあげましょう。そうすれば自己有能感が高まり、「またやってみよう」という気持ちが芽生えてきます。