チェックポイント4:ジェンダー問題の捉え方

男女平等と言われながらも、残念ながらまだ社会のあちこちに「女性だから」「男性だから」という偏見で苦労する場面が残っています。

医学部の入試で、女子受験生と多浪受験生には一律減点の不正操作が行われていたニュースはまだ記憶に新しいところです。

この問題は、社会に根深く残っているため、男女ともに「性差別だ」と気づかないこともあり、見極めの難しいところです。

産婦人科医のA子さんは、後輩に起きた「恐ろしいエピソード」を披露。

「後輩は、産婦人科医になることを希望していましたが、結婚直前に交際相手から『皮膚科医になってほしい』と言われたそうです。相手も医師であったために、当直や夜勤が少ない皮膚科医のほうが結婚後、育児などもしやすいという思いがあったよう。ただ、いくら医療現場の事情がわかっているからとはいえ、産婦人科医になりたいと夢見てひたむきに頑張ってきた恋人に『進路を変えろ』とたやすく言える心理を考えると、そこには『女性の仕事は腰掛け』『子どもができたら、女性のほうが仕事をセーブするだろう』という偏見がみてとれますよね。彼女は、一度は彼の意見を受け入れ、皮膚科医となりましたが、やはり医師になったときからの夢をあきらめきれず、産婦人科医に転科しました」

令和になっても、結婚目前になって、あるいは結婚したら、手のひらを返したように豹変して「フルタイムの仕事は辞めて」「管理職なんてとんでもない」と、女性のキャリアを制限しようとする男性もまだまだ生息……。彼が豹変しないかどうか、これは結婚後も働き続けたい女性に共通の懸念かもしれません。

A子さんは、普段からジェンダーについて話すことを意識していたそう。

「女性蔑視的な考えがないかどうかを見極めるためにも、私は、MeToo運動やKuToo運動など、ジェンダー関連のニュースや話題を積極的に話すようにしていました。こうした話題をいっしょに話し、考えられるかどうかは、ひとつのチェックポイントになりうると思います」

今回お話を伺った女性医師たちは、「相手選びのポイントといっても、結婚に至るかどうかは双方の意思あってこそ。一方的に選べるものではありません。でも、絶対に譲れないと思うところははっきりさせておくことが大事」と口をそろえます。4つのポイントを紹介しましたが、すべてチェックすべきということではなく、自分が譲れないポイントをしっかり定めていくことが大切と言えそうです。

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浦上 藍子(うらがみ・あいこ)