【見直そう、ビジネスマナーの基本のキ】

社会に出て何年にもなるのに間違った対応で失礼に当たっては一大事! 必要なときに迷ったり、恥をかいたりしないように、今さら聞けない基本をこっそりチェックしておこう。

常識と思われることほど確認を。細やかな気づかいがマナーの質を高める

ビジネスマナーは、場数を踏むうちに自己流になりがち。接客や訪問時にオロオロしないように、1度確認しておこう。状況によってはルールどおりに動けないこともあるが、基本を知っていれば余裕を持てるものだ。その場合も接遇の精神で「もし自分が相手だったら、どうしてほしいか」を軸に相手の身になって臨機応変に動くこと。さらにマナーどおりでないことを、ひと言添えることで、相手を思いやる気持ちがより伝わる。

訪問時間管理の鉄則
上席の条件
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【名刺交換の正しいシナリオ】

名刺交換の目的は名前や連絡先の交換が目的ではない。これから始まるビジネスの幕開けを象徴する大事なチャンス。一瞬に近い短い時間だが、好印象を残すようマナーをしっかり頭に入れよう。

名刺交換は一期一会の勝負。分身を交換すると思って丁寧に対応する

名刺は相手の氏名や社名などが書かれた、相手の分身だと思って、両手で大事に扱う。名刺交換は胸の高さで行い、文字部分には指をかけないようにし、受け取るときもロゴや社名などに指がかからないように気をつけること。名前が読めないときにはうやむやにせず、その場で確認しよう。名刺入れは常に臨戦態勢で、いつもきれいな名刺を多めに補充し、取り出しやすい場所に携帯しておけば、急なシチュエーションでも余裕をもって対応できる。

名刺交換の正しいシナリオ/step1
名刺交換の正しいシナリオ/step2
名刺交換の正しいシナリオ/step3
名刺入れの扱い方

名刺入れの折り返し側を相手に向け、自分の名刺を相手の正面に差し出す。取りやすいように名刺の下に指を入れて浮かせると丁寧な印象に。職種にもよるが、色や素材はスーツから出して浮かないもの、黒、紺、茶が◎。明らかなブランド品は避けるのがビジネスマナーだが、名刺入れは別格として高級品でもよいとされている。定期入れや財布、手帳で代用するのはマナー違反。

美しい資料の渡し方のマナー

書類の正面を相手に向け、両手で受け取りやすい位置に差し出し、「お待たせしました」などとひと言添える。重要なのが書類の下の指先、そろっていれば手先が見えたときに丁寧な印象に。こうした気づかいは相手が取引先や上司なら意識するが、同僚や部下への対応では雑になりがちなので気をつけよう。

「水がほしい」の意味はいくつもある

人の要求には「その先」が含まれている。たとえば「水をください」と言われた場合、のどが渇いたのか、薬を飲むのか、服の汚れを落としたいのかなど、さまざまな可能性が考えられる。ビジネスの場合でも上司の指示や取引先の要望の先にはその人の目的が含まれている。背景を考え、相手を観察し、不明な点は質問をして目的を突き止めて、その人の希望をかなえることができれば、接遇マナーも達人の域といえるだろう。