たとえば「おじぎ」の演習で体の角度に気を取られていたら「指先がそろっていませんね」と指摘され、思わぬ油断にギクリ。「笑顔」の演習では、イラストレーターEとライターMの不気味な笑顔が、表情筋を動かす練習で柔らかなスマイルに。表情ひとつにも、プロのテクニックがあることに感動を覚えてしまう。
スピーチを動画で撮影。他人の目で自分を検証する
ヤマ場は「第一印象」のプログラム。短いスピーチを動画撮影し、雰囲気や表情、所作や話し方・声の印象などをチェックシートで評価し合う。自分の動画を見るのは恥ずかしさの極みだが、先生はもちろん、研修に参加している経験豊かな社会人仲間から率直なコメントがもらえる、これは貴重な体験だった。「手に落ち着きがない」「目が泳いでいる」など気になる点や、「誠実な感じ」「聞きやすい声」など意外な長所を評価してもらい、反省すると同時に、知らなかった自分の強みを知る良い機会にもなった。
今さら! と思っていたが、経験を重ねているからこそ深く学べることもあるもの。そこで、接遇&マナー研修の概要を特別に公開しよう!
1.常に思いやりの心で人に接する
マナーはコミュニケーションの潤滑油、相手をよく観察し、何か役に立てることはないか、という気持ちを持つべし。
2.相手に不快な思いをさせない
相手の立場に自分を置き換えて対応を選ぶ。ストレスを感じさせないよう常に一歩先の未来を読んで動くべし。
3.基本マナーを知ったうえで臨機応変に
ビジネスの場では何が起こるかわからない、時と場合によっては状況に合わせて臨機応変に行動する勇気を持つべし。
【第一印象は数秒で決まる】
チャンスは1度、しかも会って数秒で第一印象が決まってしまう。相手に不快な印象を与えないために、ビジネス仕様の身だしなみを標準装備しておくのが最低限の礼儀だ。
第一印象は見た目が6割。好感はディテールに宿る
人が初対面の印象を決める要素を調査したところ、判断材料で最も影響があるのは見た目。約6割の人が見た目で人を評価している(図1)。また脳は会ってたったの3~5秒で相手の情報を得て印象の良しあしを判断するというデータもある。逆に言えば、ある程度見た目が整えば良い印象を持ってもらえるということでもある。すべてではないが、人間関係の入り口では「見た目」に重きがある以上、自分の「身だしなみ」を検証しビジネス仕様に標準化することが肝心。