男性がなぜおバカなのかは解明されていない

男性がおバカさんであることを示す研究は、いくらでもあります。

カナダにあるヨーク大学のマイケル・ラストマンは、運転免許証を保有している男女210名に、「あなたの運転能力はどれくらいだと思いますか?」と尋ねてみました。

すると、男性の73%は、「自分の運転能力は80点以上だ」と答えました。大半の男性は、運転がうまいと思い込んでいるのですね。なぜそんなに自信を持ってしまうのかは、よくわかりません。

ちなみに女性に同じことを質問してみると、80点以上と答えたのは49%でした。女性に自己評価をさせると、男性よりも謙虚です。自分のことはよく知っているということがうかがわれます。

ビジネスシーンにおいても、男性は、自分の仕事ぶりにおそらくものすごく高い得点をつけているでしょう。仕事のスキルを見積もってもらうと、本当は40点くらいだとしても、70点とか、80点くらいだと見積もるのではないでしょうか。

「俺のプレゼン能力は、どんなに低く見積もっても平均よりはるか上」
「僕の企画書の通過率は、たぶん90%以上」
「私のセールス成約率は、日本でも指折り……のはず」

おそらくはそんなふうに男性は考えている(信じている)はずです。なにしろ、おバカさんですから。正しく、客観的に自分自身を把握できないところが男性の弱いところ。

男性のほうが、根拠のない自信を持っている

株式投資家というと、数学を駆使して高度な予測をしている人たちばかりのようなイメージがあるのですが、そんなこともありません。

カリフォルニア大学経営大学院のブラッド・バーバーは、3万人を超える株式投資家について調査したことがあるのですが、女性投資家に比べて、男性投資家のほうが、なぜか自分の能力を高く見積もっていて、「自分なら勝てる」と根拠もなく思い込んでいることが明らかにされました。自信があるぶん、男性投資家のほうが、女性投資家よりもたくさん売り買いしていました。45%もトレーディングの回数が多かったのです。

異性との関係においても男性は、自分に関しては、客観的な判断があまりできません。

ニュージーランドにあるヴィクトリア大学のガース・フレッチャーは、50名ずつの男女に10分間の会話をしてもらって、その後で、「あなたは相手から何点の魅力をつけてもらえたと思いますか?」「どれくらい関心を持ってもらったと思いますか?」「デートしたいという気持ちを、どれくらい感じてもらったと思いますか?」と自己判断を求めました。そして、実際に相手にも得点をつけてもらって、自分の見込みと相手からの現実の評価を突き合わせてみたのです。

その結果、やはりというか、男性は自惚れた得点をつけることがわかりました。現実にはそんなにモテていないのに、自分ではモテていると勘違いしていたのですね。男性は、とてもハッピーな脳みそを持っているといえるでしょうか。職場にもいますよね、「俺はお客さまたちから好かれてるんだ!」と言いながら、実はそんなに好かれていない男性って。