居酒屋は都心から住宅街へ
私の知人で居酒屋を複数展開する経営者は、都心にある店舗のいくつかを閉鎖し、住宅街近く、あるいは住宅街を控える駅前への出店を増やす計画です。
都心よりも賃料が安いからという理由よりも、「地元需要が底堅い」からだそうです。就業後のサラリーマン需要に依存するよりも、日々の食事の一環として利用してもらうほうが、売上のブレが少なく、さらに外出自粛であっても近所の人はそれなりに来てくれると言います。
土日祝祭日は閑散とする都心立地とは対照的に、むしろ日中から飲食需要があるのが住宅立地であり、リスク分散にもなるとのこと。
また、従業員も近隣に住む主婦や大学生が中心なので、交通費負担も少なく、長期で勤めてくれる傾向があるのでありがたいということでした。
一点集中・テイクアウト&通販型へ
別の飲食店を経営する人は、今回のコロナ禍を機に、デザート1品に絞り込み、店での飲食サービス自体をやめ、そのテイクアウトと通販だけに舵を切った人もいます。
これなら家賃も人件費も食器類や厨房設備も最小限になり、製造の効率化も食材管理もマーケティングもこの1品に集中できます。
利益率も高まり、より高品質な材料を使えるようになり、それがさらに差別化になるという狙いですが、このコロナ禍で通販の売上は大きく伸びたそうです。
それらのマーケティングとして、SNSを全方位で活用する富裕層が増えたことも特徴です。
もともとSNSで情報発信が得意な人が多いですが、公式のツイッターやLINEなどに加え、経営者自らフェイスブック、インスタグラム、noteなど、あらゆるSNSメディアを開設して連動させ、流入動線を増やそうとしています。コロナが騒がれてからYouTubeチャンネルを開設した人も少なくありません。
こうして広告宣伝費を極力抑えつつ、インターネット上でのブランディング強化に取り組んでいます。
実際、来店が減っている飲食店でも顧客が途絶えない店は、普段から顧客とのつながりを重視しているところが多いらしく、SNSでキャンペーンやテイクアウト商品をつぶやくだけで来店を促せるそうです。