年金受給は75歳まで繰り下げられる

さらに、日本では公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする年金改革法案が審議入りしています。公的年金の受給開始年齢は、現在は原則として65歳で、60歳から70歳まで開始年齢を選ぶことができますが、今回の改革案では長く働きたい高齢者が増えているのを踏まえて75歳まで延ばせるようにします。受給を遅くするほど受給額は増えますから、心身ともに健康で長く働く意欲がある人は、40代から心身の健康を保ち、計画的にキャリアをつなぐ準備をするといいでしょう。

反対にアーリーリタイアをしたい人は積極的に資産運用の練習をし、今回のような暴落をチャンスと捉えて、勉強をし、行動をとっていく方が機会を掴みやすくなります。ロジャーズ氏は繰り返し、「危機はチャンス」と表裏一体と言っていました。今回、投資で痛手を負ったので、もう資産運用はこりごりと思うのではなく、勉強をし、学んでいく必要がありそうです。

花輪 陽子(はなわ・ようこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年からシンガポールに移住。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』など著書多数。