仕事を継続できないとき

テレワークが整備できていない会社、自宅でできない仕事に従事している人は、どんな働き方ができるのか、会社と話し合うことが大切です。業務継続が難しい場合には、自宅待機、特別休暇などで休めるよう配慮している会社もあります。要望してみてください(有給休暇を取得させた場合の助成金も参照)。

育児休業を延長したり新たに取得したりすることが可能な場合があります。法定では、復職予定の1カ月前までに申し出れば、育休延長ができる権利が認められています(最長1歳まで。保育園等に入れなくて延長している場合はその時点からの延長も可能)。これは法定の最低限なので、会社が認めれば、もっと柔軟な形での延長も可能です。いったん復職している人の再取得は認められていませんが、母(父)親が育児休業をとっていて父(母)親が引き継ぐことはできます。その場合、1歳2カ月まで可能となります(パパ・ママ育休プラス)。

その他、雇用について難しい局面になった場合はしかるべき窓口で相談してみてください。厚生労働省のQ&Aも参考になります。

どうにもならないときは、もう一度、市町村や保育園に相談してみてください。保育のこと、その他の福祉的な支援制度でつかえるものがあるかもしれません。

子どもにとって、登園できない影響は?

子どもにとっても、保育園に行けないことはたいへんなことです。毎日よく遊び、よく体を動かし、よく食べて、よく寝て、健康的な生活習慣を援助されてきたのに、生活が一変してしまいます。

家で仕事をしなければならない親にとっては、ストレスのたまる生活になるかもしれません。親が怒ってばかりだと、子どももつらくなってしまいそう。

夫婦で協力しあって、子どもとの時間を上手にやりくりしあう方法を考える必要がありそうです。保育園での生活をまねて、1日のスケジュールを決めるのもよいと思います。お散歩の時間、室内で子どもと遊ぶ時間は親も一緒になって遊ぶと、親の運動不足も解消されます。子どもはたくさん遊べば、昼寝もたくさんしてくれます。

ちなみに、私自身は、子どもと遊ぶのが下手くそな親でしたが、子どもが大きくなってから悔やんだのは、もっと子どもと遊べばよかったということです。この期間、子どもと過ごした日々の記憶は、きっと人生の宝物になるはずです。

欧米の医療崩壊などの状況を報道で見れば、私たちがどのような危機に瀕しているかは明らかです。地域と、保育園と、夫婦やその他の家族が協力しあって、この危機を乗り越えることが必要です。

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普光院 亜紀(ふこういん・あき)
保育園を考える親の会顧問(アドバイザー)

1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経て保育ジャーナリストに。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『後悔しない保育園・こども園の選び方』(ひとなる書房)などがある。