「幼児とともにテレワーク」をどう乗り切るか

家庭が「なんとかなる」ためには、保護者の勤務先、つまり会社等の支えが不可欠です。事務業務全体をテレワークなどによる在宅勤務で行う方針を発表する企業もふえてきました。遅々として進まなかった働き方改革が、思わぬところで劇的に進む兆しがあります。

保護者からは「幼児が家にいて仕事をするなんて無理!」という声も少なからず聞こえます。そのとおり。子どもはそばにいる親に仕事なんてさせてくれません。

自治体や保育園には、テレワークできる保護者でも基本的に保育が必要であることは理解してほしいのですが、緊急事態のもと、テレワークできる家庭はできる範囲で頑張ってみるしかないと思います。夫婦ともにテレワークなら、交替で保育を担当して互いの仕事の時間を確保するなどの工夫もできます。

効率がボロボロになっても仕方がない事態

もちろん効率は落ちます。そこは緊急事態ですから、会社も取引先も「子育てはお互いさま」を合言葉に許容する風土をもってほしいと思います。子育てを社会全体の仕事と考えて認めるのも働き方改革の一部だと思います。

そんなふうにして、一時的に効率がボロボロになっても、雇用が継続されて、1年後に苦労話にできれば幸運だと考えるしかないのが、現状です。この機会に業務についての新しい提案をして、コロナ後にもつながる業務改善を進めるなど、先を見る動きができれば理想的です。

なお、「企業主導型ベビーシッター利用支援事業」に参加している会社の社員が1回2,200円の割引券が利用できる制度が以前からありましたが、3月から新型コロナウイルス感染症対策の特例措置が始まり、1回に複数枚、1家庭につき1カ月当たり120枚まで使用できることになりました。この助成金に所得税がかかるという問題も、その後の政府方針で、課税所得に含まれないことなりました。さらに、今回の緊急事態宣言を受けて、3月中だった期間が延長されています。勤務先に相談してみてください。