リモートワークに消極的な会社を変えたいなら?

世間ではリモートワークが注目されているけれど、「うちの会社は動きが遅い」とか「導入はされたけれど、使われていない」といった状況に歯痒さを感じている方もいるでしょう。そんな会社でリモートワークを有効活用できるようにするには、どうしたら良いでしょうか。

繰り返しになりますが、まずは目的を明確にすることです。その目的に照らして「リモートワークを導入しないことのリスク」と「リモートワークで見込める効果」を説明し、会社の上層部、あるいは実際に実行することになる社員の理解を得ていく、というのが正攻法ですね。

それでも、「部下を自分の目の届かないところで働かせたらサボるんじゃないか」とか、リモートワークのために不可欠なITツールの利用に苦手意識があるとか、論理的な説得では突破できない心理的な壁がなかなか手強かったりします。

そんなときは、できるところから始めるのもいいでしょう。「まずは私たちのチームで実験させてください」と言って、実験で得られた効果や課題をまとめて会社に提言する役を買って出るのです。

自分ではあまりやりたくない上層部の人たちも、このご時世ですから「実験くらいはいいか」と考えるのではないでしょうか。また、チームで始めたリモートワークがうまくいけば、「自分たちもやってみたい」「リモートワーク、意外といけるかも」という社員が増えていき、会社の空気が変わってくるでしょう。

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やつづか えり(やつづか・えり)
フリーライター

コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年に組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』開始。『くらしと仕事』編集長(2016〜2018.3)。Yahoo!ニュース(個人)オーサー。各種Webメディアで働き方、組織、ICT、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。