成功する会社、失敗する会社の決定的違い2つ
リモートワークを導入してうまくいく会社とそうでない会社の決定的な違い、それは「目的の明確化」とそれを達成しようとする「本気度」でしょう。
リモートワークは、「出社できない事態を乗り切る」ということのほかに、生産性の向上、ワークライフバランスの向上、優秀な人材の確保など、さまざまな効果が見込めます。しかし、「リモートワークをやればいいことがありそうだ」とか「他社もやっているから」というぼんやりとした認識で導入してもうまくいかないでしょう。
目的によって準備すべき環境やルールも、導入の効果をどう評価するのかも変わってきます。何のためにやるのかを明確にし、経営側と社員の共通認識にすることが大切です。
例えば、優秀な人材の採用と定着を目的にするなら、リモートワークをするのはそれを必要とする社員のみという前提で環境整備やルール作りを進めても良いでしょう。しかし事業継続性の観点から導入するなら、全社員が日頃から慣れておかないといけません。
会社としての本気度が低いと、「全社員が」とか「日頃から」という点が徹底されません。そうなると、いざというときに「できない!」という社員が多くてせっかくのリモートワークが混乱に終わる可能性があります。
“大企業の難しさ”を克服するには
ちなみに、リモートワークはベンチャー企業ならうまくいきやすいけれど大企業では難しい、という話をよく聞きます。それは、全社員が共通の目的意識をもって必要な行動を徹底するということが、社員の数が多くなるほど難しいからだと考えられます。その難しさを克服すれば、大企業であってもできるのです。
例えばJALは、パイロットや接客部門などを除く間接業務を行うスタッフ約4000人を対象にリモートワークの制度を整えています。2014年にトライアルを始めた時は使いづらい制度だったそうですが、地道に改善を進め、2018年の上半期には5割以上が利用したそう。各本部長・グループ各社社長など、部門のトップが「変革責任者」としてリモートワークを推進するなど、生産性向上という目的に向かって本気で変革を進めてきた結果だと言えるでしょう。
本気度の低い会社は何かしら問題が起きれば「やっぱりリモートワークはダメだ」と後戻りしがちです。会社の方針は変わらずとも、現場レベルで「リモートワークは使えない」という空気が蔓延します。
これまでと全然違う働き方をするのですから、何も問題が起きないはずはないのです。きちんと目的が明確化されていて本気度が高い会社なら、「その問題をどう乗り越えるか?」ということに意識を集中し、対応していけるはずです。