請願書、笑いの才能を開花した?

理由その2は、もはや読みながら笑わずにはいられない。

“(二)選択的だから別姓にしたい少数者の意思を尊重するために選択的夫婦別姓制度を導入してもいいのではないかという意見があるが、この制度を導入することは、一般大衆が持つ氏や婚姻に関する習慣、社会制度自体を危うくする。別姓を望む者は、家族や親族という共同体を尊重することよりも個人の嗜好(しこう)や都合を優先する思想を持っているので、この制度を導入することにより、このような個人主義的な思想を持つ者を社会や政府が公認したようなことになる。現在、家族や地域社会などの共同体の機能が損なわれ、けじめのないいい加減な結婚・離婚が増え、離婚率が上昇し、それを原因として、悲しい思いをする子供たちが増えている。選択的夫婦別姓制度の導入により、共同体意識よりも個人的な都合を尊重する流れを社会に生み出し、一般大衆にとって、結果としてこのような社会の風潮を助長する働きをする。”
【翻訳】
「少数のワガママな人たちが選択的夫婦別姓を導入しろとか言っているけれど、奴らは社会の安全を脅かす危険分子。奴らは私たちにとって安らかで居心地のいい共同体に否定的でワガママな、けしからん危険思想の持ち主たちだ。夫婦別姓を認めることで、そんな変質者たち(もはや思想犯に値する)を社会が公認するなんてダメ、絶対。それでなくても家族や地域社会の機能が弱まってる。夫婦別姓にしようなんていう不届きな奴らが跋扈ばっこするとますます悪化するんだよねー、ホント迷惑。だらしない結婚とか離婚は、夫婦別姓を唱える破廉恥な人たちがパンピーを扇動するせい。あーあ、子どもたちがカワイソー」

——もう言葉もない。どういうヒステリーを起こしているのか、「夫婦別姓」という考え方には、そんなに何かを刺激されるのか? その根拠希薄で感情的な、異常なアレルギー反応を見ていると、問題があるのは「夫婦別姓を唱える“危険思想者たち”」の方じゃなくて、「夫婦は同姓でなきゃダメ絶対!」とヒステリーを起こしているそっちの方だろう……と頭痛でこめかみを揉みながら思うのだ。