お金持ちは10億円で何をするか

多くの場合、以下のような回答が返ってきます。

「事業につぎ込んで拡大させる」「新しい事業を始める」「社会問題を解決する財団を作る」。

むろん人によって異なりますが、少なくとも、仕事を辞めるとか新車を買うなどといった発想はありません。

これを少し違う角度から説明します。

たとえば電車の中では多くの人がスマホとにらめっこしていますが、何をしているかのぞき込んでみると、たいていの人が「ゲーム」か「SNS」か「動画サイト」です。ビジネスマンはたまにニュースサイトを見ています。

そうしたゲームアプリを提供している会社もSNSプラットフォームを提供する会社も儲かっています。また動画を作って配信しているたとえばYouTuberの中には、年間数千万円も売り上げている人がいます。

このように、富裕層は普通の人が好むツールやコンテンツを作って売り、凡人はそれで暇つぶしをしたり、ときにはお金を払って消費しているわけで、この違いについて抽象度を上げて表現すると、「富裕層は価値を創造し、凡人は価値を消費する」となるのです。

一般人がマネできる富裕層の知恵

そこで提案したいのが、富裕層の習慣を見習い、働き方改革で生まれた余暇の時間を使って、価値を創造する側に回ることです。

昨今では、ブログやSNSから出版が実現するという人も増えていますし、各種ウェブツールの登場によって、一般個人でもイベントを開催することができます。自分のスキルをスポットコンサルティングという形で売ることができるサービスもあります。

そしてこれらの利用はほぼタダ(費用が発生しても、成約したら手数料がかかるという、低リスクなものがほとんど)。

かように余暇を活かして価値を創造できる環境は整っているのです。

そしてその価値が多くの人に消費され、お金を生むようになったら?

それこそ起業という道が開けます。それで通勤という概念が消滅し、さらに好きなことをやって稼げるなら、まさに「真の働き方改革」と言えるでしょう。

実際にやった人は皆こう言います。「好きなことをやって感謝されてお金までもらえるなんて、辞める理由がない」と。これは私自身も痛感しています。

だからもしいまの働き方に不満があるなら、ぜひ今日から、価値を消費する側から創造する側に回ってみてはいかがでしょうか。

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午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。