トップの思いと女性社員の提言から始まった
―キリンホールディングス―

キリングループの女性活躍推進は、2007年に「キリンウィメンズネットワーク」(通称KWN)を発足したことが大きな転機となった。地域で働く女性社員のネットワークづくりや、女性社員自身が求める充実した働き方、自己成長のありたい姿を考える機会として、会社が創設したのがきっかけだ。

キリンホールディングス 人事総務部 人事担当 堤本圭亮さん

「最初はトップダウンで始動したKWNですが、女性社員が抱える不安や課題、思いを経営陣に直接提言する中で制度や施策が生まれ、今の、多様な人材の発想を創造性の源泉とする風土が根づいたのです」と、キリンホールディングス人事総務部の堤本どてもと圭亮さんは、現在に続く推進力の原点を説明する。

多様性への意識は以前から高かったという同社だが、実はその背景には、ある危機感があったのだという。それまでの飲料業界、特にビール会社は圧倒的に男性社員が多く、まさに男社会。しかし、消費者の半分を占めるのは女性だ。そこで女性のニーズにも対応できる新しい価値をつくり出すために、女性社員がより生き生きと働ける環境を整え、女性視点の活用を進めた。現在では将来グループの基幹人材となる全国転勤型の新入社員も約半数は女性となった。