日本は口内メンテナンス後進国

残念なことに日本人の歯に対する意識の低さは、欧米ではよく知られています。

私の知り合いの歯科医の先生(日本人)が、海外に留学した際に、カフェでアメリカ人に“Are you Japanese?”(あなた、本当に日本人ですか?)と聞かれたそうです。なぜなら歯がきれいだったから。歯がきれい=日本人ではない、という認識が欧米ではできあがっているのです。

欧米に住む日本人のなかには、歯をきれいに整えている人がたくさんいます。その人たちがよく言われるのが「君の歯はきれいだけど、ほとんどの日本人ってどうして歯が汚いの?」ということなのだそうです。

日本には美しい自然があり、豊かな文化があり、最先端の技術があって、教育や娯楽に投資するお金がある。それなのになぜ、歯は汚いのだろう?

それが、歯のメンテナンスを重視する欧米人の、正直な感覚なのです。

子供の歯に対する日米の感覚の違い

欧米諸国をはじめとする先進国では、歯は非常に大切なパーツとして当たり前のようにメンテナンスがなされています。白く整っていることは当たり前、虫歯治療ではなく予防のために歯医者に通うのが当たり前、といった具合です。日本では、小学生が歯科矯正をしていると、恥ずかしいという気持ちがあったり、友だちにからかわれたりという話も聞きますが、アメリカ在住の人からすると、アメリカでは歯科矯正をしていないほうがおかしいくらいだそうです。もし歯科矯正をしていない小学生がいたら、それは歯科矯正を「しない」ではなく「できない」くらい経済的に貧しいと見なされてしまうのだそうです。

それだけ、幼少期から歯に投資することが当たり前であるアメリカでは、子どもの歯を虫歯だらけにしていると、親が「虐待をしている」と訴えられる例すらあるほどだと言います。

欧米では、歯の見た目は生活環境や教養・教育の程度を示す指標となっているため、一定レベルの生活水準と教養を併せ持つ人で、虫歯だらけの人や前歯が抜けたのをそのままにしている人には、まずお目にかかれません。

その人の人となりを表し、ステータスの証のひとつとなるのが、白く整った美しいロ元なのです。