視野が狭まることを理解し、慎重に対応せよ

客観的になってみると、ほとんどのミスは「なんだそんなこと」と思うくらい、シンプルです。

それでも当事者になった瞬間に、周囲が見えなくなってしまう。同様に不祥事の記者会見には、「なんであんな態度をとってしまうんだろう」と不思議に思うくらい、印象の悪い対応が多くあります。

しかし、ちょっと考えてみてください。通常、記者会見を行ったり、メディアで取りざたにされるのは、社会的に認知されていたり、立場のある人です。普段から言動に問題のある人は少ないはずです。

ミスや失敗は、起こった瞬間に動揺を引き起こし、視野が狭まってしまいます。ですから、ミスや失敗を起こしてしまったときには、普段考えている以上に慎重に歩を進めていく必要があるのです。

ミスを上塗りするくらいなら「何も見せない」が吉

思わぬミスや失敗が起こったとき、咄嗟とっさの反応をコントロールするのは難しいものです。

「とにかく、いったん、止まって深呼吸」

ミスや失敗への最初の反応(リアクション)は、余計なことをしない・言わないことが鉄則です。たいていのことは最初の反応では解決しませんし、いったん落ち着いて受け止めてから対応しても間に合います。

あなたにとっては大変な失態にしか思えないことでも、相手にとってもそうであるとは限りません。きっと何か、対応策が見つかるはずです。

反省はあとでもできる。まずは客観的な状況判断を

状況を冷静に分析し対応するためには、第三者の目を持つことが大切です。「私は取り返しのつかないことをしてしまった」という一人称の反省を抑え込んでください。

「自分が」という自責の念に駆られていると、対応の適切なタイミングを逃してしまう場合があります。不祥事の記者会見も、タイミングが遅れてしまえば、世間からの風当たりが強くなります。反省はもう少しあとでも遅くはありません。まずは状況の判断です。

仕事上のミスは、自分のものではありません。グループのもの、部署のもの、組織のものです。自分のミスや失敗は自分で何とかしなければ、という思い込みは捨てましょう。