介護や育児問題をヘルパーで解決

「2025年問題」をご存じでしょうか。2025年に団塊の世代の全員が75歳以上の後期高齢者になります。高齢化の山はまだ7合目であり、その後も団塊ジュニア世代の高齢化なども続き、2070年を超えるまでずっと苦しい時代が続くことが予想されているのです。ただでさえ少ない働き手が家庭で介護をする必要になれば、働く人はいなくなってしまいます。女性が安心して働けるためには、外国人の介護労働者や家事労働者を受け入れる必要性が出てくるのではないでしょうか。

また、日本の地方では空き家問題が深刻ですが、空き家をリノベーションして価値を出して外国人に賃貸に出すということも考えられます。海外では古い家をリノベーションして売却して利益を上げる手法は一般的です。

日本も今、外国人の在留資格を増やして、移民を受け入れる体制を拡大しつつありますが、まだ人口比で考えると十分ではありません。日本に魅力を感じてくれる外国人が少なからずいるうちに受け入れを増やす方がよいでしょう。旅行者などの一時滞在者ではなく、半恒久的に日本に住んでくれる外国人が増えなければ、人口大幅減の時代に日本の経済成長は望めないからです。国の経済成長には人口というパイの大きさは重要です。このまま抜本的な対策が取られないままでは、日本人の生活レベルはじわじわと下がり、ほかの国と比べると、相対的に貧しくなり続けるかもしれません。

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花輪 陽子(はなわ・ようこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年からシンガポールに移住。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』など著書多数。