日本に魅力があるうちに国を解放すべき

英金融大手HSBCホールディングスによる「各国の駐在員が働きたい国ランキング」では、日本は調査対象33カ国(地域含む)中32位という結果となりました。1位はスイス、2位はシンガポール、3位はカナダ、4位はスペイン、5位はニュージーランド、6位はオーストラリアで、30位は南アフリカ、31位はインドネシア、33位はブラジルでした。

各国の駐在員というエリートの意見ではありますが、今の日本は外国人からすると、賃金、ワークライフバランス、子どもの教育環境などが最下位レベルの魅力の乏しい国として映るようです。今後、新興国が経済発展をするとますます日本の賃金は魅力のないものになってしまう可能性もあります。積極的な移民政策を考えるのであれば急いだ方がよいのかもしれません。

移民の受け入れを進めると、「外国人に仕事を奪われる」と言う人もいますが、移民は新たな雇用を生み出し、ダイバーシティーをもたらします。世界的に解決が難しい問題を考える際に、多様な意見に耳を傾けて意見を出し合っていかなければならない時代、マイナスにはならないでしょう。

シンガポールのインター校や大学院では多国籍の生徒が集まり、意見を出し合います。男性だから、女性だからといったこともなく、ジェンダーにかかわらず仲間になり、課題に取り組んでいきます。

世界経済フォーラム(WEF)が各国のジェンダー不平等状況を分析した2019年版「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」によると、日本は世界153カ国中121位とG7の中で最下位でした。

ジェンダー格差が少ない1位から5位までは、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ニカラグアで、ドイツ10位、フランス15位、カナダ19位、英国21位、米国53位、イタリア76位でした。アジアでは、シンガポール54位、中国106位、韓国108位などです。

日本人のビジネスの会合に出席をすると、海外であっても95%が男性というケースもあるほど男性社会であると感じます。対して、外国人の集まりではどこでも3割以上は女性がいる印象です。パーティーなどもカップル単位で出席する人が多く、男性ばかりというシーンはあまりありません。ジェンダーや人種が同一の集まりで物事が決まってしまうとどうなるでしょうか。多様な意見が反映されにくい社会になり、女性や若い人、マイノリティの声が反映されにくい窮屈な環境になるでしょう。