20分以内にできるだけたくさん書き出す!

「Wishリスト」は、自分のもつ願い(Wish)をノートに箇条書きで書き出していくワークです。自分のやりたいこと、興味のあること、実現したいこと、楽しみたいこと、望んでいることなど、思いつくままにどんどん書き出していきます。

「Wishリスト」は夢や願いを3つ4つ書くノートではありません。100個書くことを1つの目標に書き出していきましょう。

20分以内に、できるだけたくさん! と時間制限を設け、ある意味、無理やり書き出すことで、大人になって忘れてしまっていた昔の夢や子どものころの願望もよみがえってきます。ふだんは考えもしないような潜在意識からの願いも表出します。

佐藤さんにも「どんどん書いてね」「仕事を離れてやりたいことも含めてね」と「Wishリスト」にチャレンジしてもらいました。仕事からプライベートまで思いつくままに書き出してもらった一部分を抜粋すると、こんなWishが並んでいます。

「海外で看護師として働いてみたい」
「子どものころから一度行ってみたいと思っていたニュージランドを旅したい」
「一緒にいるとくつろげる彼氏が欲しい」
「日当たりのいい部屋に引っ越したい」
「焼き物に興味があるから、陶芸教室に通ってみたい」
「マスクメロンをまるまる1個食べてみたい」
「患者さんからの“ありがとう”を素直に受け止められる自分でいたい」
「同僚に愚痴をこぼせるようになりたい」

自分のやりたいこと、興味のあること、実現したいこと、楽しみたいこと、望んでいることなど、思いつくままに100個書き出していきます。できるだけ20分以内に書き終えましょう。タイマーで時間を測るのもおすすめです。

イメージするとドーパミンが分泌される

専門的な用語になりますが、私たちの心には機能的自律性という機能があります。これは自分のもっている興味や関心を自覚すると、それを実現したいというモチベーションが高まる心理的効果です。

つまり、人間はやりたいこと、興味のあること、実現したいこと、楽しみたいこと、望んでいることを自覚すると、ワクワクし、行動に移したくなってくるのです。

イメージが大事というのは、よく聞く話ですよね。スポーツ選手もイメトレをしますし、願いも写真や絵を掲げることで叶いやすくなると言います。

このことは科学的にも証明されています。ワクワクする楽しいイメージを思い浮かべると、脳からドーパミンという脳内物質が分泌されます。イメージには力があり現実化するといわれるのは、ドーパミンが出るからなのです。

ドーパミンは、「快楽のホルモン」とも言われます。脳からドーパミンが分泌されると、そんなに楽しいなら現実にしてしまおう! と判断し、やる気や意欲が出てくるのです。

付け加えると、脳は映像化イメージのほうが、ドーパミンがたくさん分泌されます。そして、ドーパミンはたくさん出たほうが夢や願いが叶いやすくなります。

書くだけではなく、読み返すことが大事

「Wishリスト」をつくることで、あなたは自分のほんとうの願いに気づくことができます。そして、書き出したやりたいこと、興味のあること、実現したいこと、楽しみたいこと、望んでいることを目で見て、読み返すことで人生へのモチベーションが高まっていくことが感じられるはずです。

ちなみに、佐藤さんはノートに「Wishリスト」をつくる過程で、自分の望んでいることをはっきり自覚できるようになったと笑顔を見せてくれました。

これは自尊感情が低い状態が続くことで起きていた「自分の思考の整理がうまくできず、感情のコントロールが覚束ない状況」から脱することができたからです。

佐藤さんの場合、「Wishリスト」によって「書くことの3つの効果」のうち、「アウトプット効果」と「見える化効果」がよく働き、自己認知が深まっていきました。自己認知が深まると、「自分の価値を認めてもらいたい」という承認欲求のバランスが整います。承認欲求とは誰しももっている欲求ですが、じつは自己承認と他者承認の2段階に分かれています。他者承認とは他人からの承認、自己承認とは自分で自分を承認することです。