誰でも簡単に手間なくお金が貯まる・増える「ほったらかし投資」。アベノミクスの恩恵を受けてここまでは順調にお金を増やしてきた人も多いが、このままほったらかしにしたままにしておくと大やけどをしかねないという。この年末年始に見直すべきポイントとは――。
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投資判断を惑わすアンカリング効果

「このままほったらかし投資を続けていいのか、2つのポイントをチェックした方がいいですね」とアドバイスするのはファイナンシャル・プランナーの藤川太さん。

一つ目のポイントは、投資対象が成長を続けるかどうか。ほったらかし投資は長期投資が基本。長く続けるほど損をする確率が低くなると考えがちだが、そうとは限らない。当然ながら投資対象が値下がりを続ければ、お金は減っていくだけ。とくに個別企業への株式投資は要注意。時代の変化に乗り切れず、業績が落ち込めば株価が2分の1、3分の1になってしまうことも少なくない。そんなとき、どんな心境になるか。

「たとえば100万円で買った株式が50万円に下がってしまうと、多くの人は『100万円まで戻ったら売って別の会社に投資しよう』と考えますが、これほどナンセンスなことはありません」と藤川さん。

この状態は、行動経済学で「アンカリング効果」と呼ばれている現象の一種。最初に提示された数値などが強く印象にのこってしまい、その後の意思決定に影響を及ぼしてしまう。この呪縛から解放されるにはどうすればいいか。