TOEICのスコアが700点以下の場合にすべきこと

中級レベルであれば、まずはリスニング、語彙、文法、読解力など基礎力をしっかりと強化し、そのうえでオンライン英会話を利用して実践力を伸ばします。このうちのどれが自分は苦手なのか、どこを強化するべきなのか、ご自身の課題を認識したうえで重点的に行うと、効率よく自習をすすめられるでしょう。

とはいえ、多くのビジネスパーソンが「何を言っているのかわからない」「英語が喋れない」といったように、リスニングとスピーキングを課題としています。

そもそもリスニングとは、①耳に入ったワード=音声信号を“音声知覚”としてキャッチし、②そのワードの意味を理解する“意味理解”という2ステップから成立しています。これができるのは、過去に覚えた単語や文法などの“知識データベース”があるから。まず音声知覚でデータベースに問い合わせ、ワードの意味をキャッチし、意味理解の段階でもう一度、処理されて初めてリスニングできるというわけです。リスニングができないときは、そもそもデータベースに蓄積がないケースも多いと言えます。

一方、スピーキングはリスニングの2ステップを踏んだあと、“概念化”→“文章化”→“音声化”の3ステップを経て、最後にアウトプットとして出てくるものです。「英語をしゃべれない」という人に、その原因をくわしく聞いてみると「相手が何を言っているのかわからない」ということがあります。これは、そもそも音声知覚ができていないということ。

要はスピーキングの問題ではなく、リスニングの問題なのです。

ですから、どんなビジネスパーソンも特に強化すべきはリスニング。それも音声知覚のトレーニングです。

効果的なのはシャドーイング。シャドーイングは聞こえてきた文章を、2、3語遅れて発音するというトレーニングですが、これを1日1時間ほどやり続けると、音声が聞こえてきたときに瞬間的に発音できるようになります。シャドーイングで音を瞬時に認識できれば、音声知覚の自動化もできているということ。シャドーイングは自身のレベルよりワンランク下のものから始めるのがおすすめです。

TOEIC(R)のスコアが700点以下なら、まずは単語や例文をしっかりと覚えて、データベースを完璧にすることから始めましょう。

自習が続かない「3つの原因」

自習が続かない人の原因は3つ考えられます。

1 成長実感が得られないとき

いくら頑張っても成長していないと感じると、やる気がなくなります。目標を週ごとにブレイクダウンして、できたところとできていないところを可視化しましょう。テキストを見返したり、ボイスメッセージを聞いたりして、過去の自分を振り返るのが有効です。

2 納得感がないとき

なぜ自分がこれをやるのかを理解し、納得できていないとモチベーションがキープできません。「よくわからないけど、これはよさそう」とやっているものは、たいてい続きません。そのためには、自分が信じた理論を見直し、なぜこれをやるのか腹落ちさせること。そして、いざ「この一冊の理論で自習する」と決めたなら、その一冊の最後のページが終わるまでは、他の理論には脇目も振らず学びぬくことがおすすめ。継続に必要なのは精度以上に腹落ち感なのです。

3 目標の解像度がはっきりしない

自分がこの英語ができたときに、どんな世界が待っているかということが明確にイメージできると、投下時間を増やしやすくなります。何故英語力をアップさせたいのか? を端的に述べられるようにすると良いです。

また、高い目標を設定しすぎないことも重要です。どうしてもネイティブレベルの英語力を目指してしまいがちですが、自分に合ったレベルで目標を設定するようにしましょう。