堅くて古い日本を変えられるか
8月、滝川クリステルさんとともに首相官邸を訪れ、安倍晋三首相や菅義偉官房長官に結婚、妊娠を報告した。その後の記者団へのぶら下がりで、育休取得を検討しているとの意向を表明。異色のビッグカップル誕生に、一般ニュース番組だけでなくワイドショーでも大きく取り上げられた。国会議員による育休取得の是非をめぐっても、当時入閣が取りざたされていたことと相まって、大きな議論が沸き起こった。
9月の内閣改造で、当選4回目の38歳で環境相に抜擢された直後には「(育休取得を)検討していると言っただけで、こんなに賛否両論含めて世の中が騒ぎになっている。日本って堅いね、古いね」と揶揄しつつ、自らの発信力が長けているとの自信をのぞかせた。ニューヨーク訪問時の「気候変動問題にセクシーに取り組む」とのいわゆるセクシー発言は、海外メディアにも報じられた。
取得に関する発言がトーンダウン
その後も、育休取得に意欲的な姿勢を示し続けてきた小泉氏だが、最近になって育休に踏み切れなかった場合を見据えた「予防線」を張り始めた。11月の会合で「環境省職員にとって育休を取りにくい環境を残したまま、(自分が)取るわけにはいかない」と発言をトーンダウン。小泉氏に近い若手国会議員によれば「閣僚という重責なので、まとまって休むわけにはいかないのではないかと悩んでいるようだ」という。
内閣人事局によると、2018年度に育児休業を新規で取得した男性の国家公務員の割合は12.4%で、前年度を2.4ポイント上回る過去最高の取得率を記録した。府省庁別では、厚生労働省(53.5%)や財務省(36.3%)が高い反面、防衛省(3.8%)、外務省(9.4%)などが低く、環境省は17.8%。高くはないが、全体平均を上回っており、決して低いとも言い切れない。これを理由に挙げるのは、首をかしげざるを得ない。ましてや、小泉氏の「上司」である首相が、男性国家公務員の育休1カ月以上取得に向けた制度づくりを既に指示済みだ。