自分の興味の範囲外にも学びがたくさんある

「私は、自分のアンテナにひっかかった本を本屋で見つけ、それを乱読するタイプ。でもそれだけではインプットする情報に偏りが出るので、講演会などに参加して今知るべき情報を取り入れてバランスを取っています」と語る鴫谷あゆみさん。

東京ガス 常務執行役員CIRIUSプロジェクト部長 鴫谷あゆみさん

J‐Winという企業における女性活躍を推進するNPOでは、東京ガスが会員になっており、鴫谷さんも執行役員以上のネットワークに所属し、運営を担っている。女性社員を“最後のゴールまで見すえて育てる”ために、「執行役員以上」「上位管理職を目指す層」「管理職・管理職一歩手前」と職位に応じて分けた3層のネットワークで、自己研鑽けんさんと後進の育成を図っている。

「自己研鑽のための講演を検討するとき、著名な経営者、最先端の技術者など『こんな人を呼びたい、あんな人も呼びたい』と話し合いをします。ほかのメンバーの興味の対象がわかって面白いし、私の興味の範囲外の人だとしても、聞いてよかったと思うことも多く、知識が深まります」

講演のテーマはSDGs、老年学、最新のセキュリティー、経営哲学とさまざま。たとえば、ある家電量販店の社長は「会社は、急激に大きくさせると、設備も人もコントロールできなくなるから、じっくり育てることが大事」、またあるサービス会社の社長からは「競合が狙っていない顧客をターゲットにする」などと興味深い話が飛び出す。本に書かれていない新たな学びがあり、何より「じかにスピーカーの“熱意”や“思い”が伝わるのがいいですね」。