本だけでなく当然、普段の実務の中での学びも大きい。鳴坂さんはエンジニア出身なので、たとえば不動産など、知識や経験が乏しい案件もマネジメントしなくてはならないことがある。

古屋さんの愛読書。女性としての感性が磨かれるものや、現代社会の構造などが垣間見られるものが好きだそう。

「でも『部下がやっていることがわかりません』ではグループの長として失格。各チームの業務全体をある程度把握して、重要な部分をきっちり押さえておくのは必須です。さらには部下の専門性をリスペクトし、彼らから教えを請う、という姿勢も大事です」

業界の進歩や世の中の動きが速すぎて、これからも予測不能なことが数多く発生するだろう。しかしいつでもキャッチアップする柔軟なマインドや、最新のテクノロジーなどに対するあくなき好奇心が大切だ。それが2人から伝わってくる。

聴衆の前でのスピーキングで、プレゼン上手になる

利用者は世界中で約24億人。世界最大のSNSでもあり、特にアジア地域ではもはや“社会インフラ”といってもいいほどの膨大な利用者数を抱えるFacebook。2009年に、アメリカ以外で初の海外法人である、フェイスブックジャパンが設立され、現在はInstagramやWhatsAppなども傘下に従える。

シンガポールと日本を結ぶテレビ電話越しに会話をする丸山さんと永松さん。

今回取材した2人は、どちらも広告に関する業務に携わる。丸山祐子さんは、13年入社で、フェイスブックのソリューションマネジャーとして、広告主マーケティングに携わる。もう1人の永松朋子さんは、15年にシンガポールで採用となり、日本の広告代理店を担当するチームを統括している、中小ビジネス担当パートナーマネジャーだ。どちらも30代後半で体力的にも能力的にもノリにのっている。

丸山さんの現在の最大の学びは「パブリックスピーキング」。Facebookの注力分野の1つであるInstagramのビジネスでの活用法を、大勢の聴衆の前で話すことが増えてきたからだ。

「社内のトレーニングや外部の方からの指導がかなり充実しているので、上達しているのを実感しています。動画を撮って伝えたいメッセージが伝わっているか、手の動きが自然か、声の大きさや抑揚が適切なのかをチェックして、周囲からフィードバックをもらいます。FacebookCOOのシェリル・サンドバーグのスピーキングが理想です。彼女はバーっとしゃべったあと、10秒間ほどためにためて、一番最後に、『Thankyou!』と締めるんです。このの取り方が絶妙で、すごく格好いい! なかなかまねできないですけどね(笑)