「2人の妊活」を意識できる習慣をプラス

妊活では、どうしても女性の負担が増えがち。基本的には、通院するのも、薬を服用するのも、女性です。

「男性にできることは少ないけれど、だからといって『俺は何にもできないから』とわれ関せずな態度では、女性はますますつらくなってしまいます。ふたりで妊活を楽しめるような習慣を持つことはとても大切。たとえば、あるご夫婦は、ご主人が毎日ある時間にアラームをセットしておき、アラームが鳴ったらアーモンドを1粒食べる、というふうに決めていたそうです。その時間というのは、妻が排卵誘発剤を飲む時間。『今、彼女は妊活のために薬飲んでるんだな』と、仕事中の夫もその時間を共有して、ふたりの気持ちをひとつにする。いっしょに妊活をしている、と思える習慣をつくるってすてきだな、と感じますね」

クリニックに通院をしている夫婦なら、毎回の通院のことを話し、男性も治療の内容をしっかり把握しておく、というのもよいでしょう。女性だけが頑張る、という構図にならないようにコミュニケーションをとることが大切です。

「妊活をしていると、生理がくることは『リセット』。また今月も妊娠できなかったと落ち込んでしまうことも少なくありません。そして、当然ながらそれを最初に知るのは女性です。落ち込みながら、夫に生理が来たことを伝えるのってつらい。そこで、『生理が来たら、玄関にぬいぐるみを置いておく』『LINEで目玉焼きのスタンプを送る』などと、合図や合言葉のようなものを作っているご夫婦も。直接言葉にしない、ふたりだけのコミュニケーションをつくることで、つらさを乗り越えて2人で支え合える、ということもあると思います」

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吉川 雄司(よしかわ・ゆうじ)
ヘルスアンドライツ 社長

妊活や不妊治療に取り組む夫婦をサポートする事業を展開。クラウドファンディング「妊活大事典プロジェクト」発起人。相談できる生理管理アプリ「ケアミー」を運営中。