11月11日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて行われた「SHARE SUMIMIT2019」。シェアリングエコノミーをテーマにさまざまな角度からセッションが行われ、議論が深められました。この日、最後のセッションとなったのが「SDGs~持続可能な社会を目指す新たなビジネスモデルとは~」。SDGs(Sustinable Development Goals)、持続可能な開発目標とは? その現在とめざす未来が語られたセッションの模様をリポートします。

SDGsは、世界共通で取り組む社会の大きな枠組み

「いま、あらゆるビジネスがSDGsを中心に変わっていく可能性があります」。こう切り出したのは、モデレータを務めるクラウドワークス社長の吉田浩一郎さん。

スピーカーに、衆議院議員の越智隆雄さん、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス取締役の島田由香さん、メルカリ社長の小泉文明さんを迎え、セッションがスタートしました。

まず、SDGsの全体像について、越智隆雄さんがオリジナルのチャートを使って解説。

「SDGsとは、2030年までに達成すべき国際目標で、17のゴールが設定されています。貧困や飢餓をなくす、ジェンダーを平等にする、自然環境を守る、取り組むべき課題はたくさんありますが、私の解釈では、SDGsとは開発と経済を好循環のなかで回していくこと。戦後、帝国主義から資本主義へと時代が変りました。その次に来るのは何かと模索してきたなか、SDGsはひとつの方向性を示すものだと思います」

SDGsが注目される背景として、2006年に国連で責任投資原則が採択され、環境、社会、ガバナンスを示す「ESG」が、投資家の間でも意識されるようになったことも挙げられます。また第四次産業革命の技術を使い、超スマート社会をつくるというSociety5.0という概念も、政府の公式文書のなかに組み込まれるように。ESGやSDGsは、企業、投資家、経済全体で取り組む社会の枠組み、となりつつある現状が示されました。