「絶対」「いつも」「かならず」と言わない

感情を素直に出すことは、自然体でわかりやすいと思われることもありますが、怒りや嫉妬など激しい感情のままに振る舞うのは、大人の行為とはいえません。

有川真由美『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』(毎日新聞出版)

荒っぽく、キツい言葉を使っていると、さらにイライラが増してくるはず。

そんな話し方の人は、トラブルが起こりやすく、人が離れていくでしょう。

やさしく、おだやかに話す習慣がある人は、それがおだやかな感情を生み出して、平和な人間関係をつくってくれると無意識にわかっているのです。

たとえば、なにかのショップで商品説明をお願いしたとき、「ちょっと感じが悪い店員さんだなぁ」と思ったとしても、こちらが努めておだやかに話していると、相手もだんだんおだやかになって、最後は笑顔まで出てくることがあります。

感情をいますぐ変えることは難しくても、話し方を変えることは比較的カンタン。

普段からやさしく、おだやかに話していると、1日を気分よく過ごせます。

これは、アンガーマネジメントとして、たいへん有効な方法なのです。

おだやかな話し方の人は、同性にも異性にもモテますが、安心感があるからでしょう。

【やさしく、おだやかに話す3つのポイント】は、
1 ゆっくり丁寧な言葉で話す(とくに語尾を丁寧に)。
2 声のトーン、音量を上げ過ぎない。
3 「ぜったい」「いつも」「かならず」など断定しない。

「それはぜったいダメ」と言うのを、「それじゃないほうがいいかな」とふんわり言い換えるだけでも、ずいぶん印象が変わります。おだやかな雰囲気のある素敵なタレントさんや知人などをマネてみるのも、習慣づけるコツかもしれません。

おだやかに話すと、周囲にもおだやかな人が増えていきます。

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有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家

鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。