行きたくない誘いは断る

「誘いを断るのが苦手」という人は多いのではないでしょうか。

私もそうでした。会社の飲み会や、友人からのイベントの誘い、ビジネスランチ会など、つい「OK」と言ってしまったもののずっと気が重い。当日も憂鬱な足取りで向かう……なんてことがありました。

「断ると相手に悪いから」「せっかく誘ってくれたから」と相手の気持ちに応えようとして、自分自身を苦しめてしまうのです。

私が断れるようになったのは「自分の心地いいこと」をいちばんに考えるようになったから。そして「断っても、ほとんど問題がない」ということがわかったからです。

断るときは一瞬、少しの勇気がいりますが、あとは気がラクです。

「自分がいないと相手ががっかりする」と考えるのは、少し傲慢な考え方かもしれません。相手は、それはそれで楽しく過ごす力があるのです。

人間関係が壊れることもありません。むしろ正直でいるほうが、つきあいもラク。断るくらいで関係にヒビが入るなら、さほど重要な関係ではないなのでしょう。

行きたくないこと、やりたくないことに「NO」と言う習慣ができると、人生が劇的にラクになります。ほんとうは、あれこれ理由をつけず、「したくないから」という理由でじゅうぶんなのです。

自分には自分の都合があり、相手には相手の都合があります。「声をかけてくれてありがとう」と丁寧に「NO」を言う。相手を誘うときも、プレッシャーを与えず、無理をさせない。断られても気にしない……そんな心地いい関係になりたいものです。

「NO」を言うことで心地いい時間と、心地いい関係が生まれます。

「ま、いっか」で肩の荷を降ろす

腹が立つこと、不安なこと、後悔することなど、受け入れがたいことに突き当たったとき、気をラクにしてくれる言葉があります。

それは、「ま、いっか」。

友人夫婦はお互い頑固で、「それは違うでしょう!」「あなたは間違っている!」と意見がいつも平行線。ケンカが絶えなかったといいますが、妻が「ま、いっか。それよりせっかくの休日だから、楽しく過ごしましょうよ」などと気持ちを切り替えることで、夫も「それもそうだね」と態度が軟化してきたとか。

相手のために「許す」というより、「ま、いっか」で自分がラクになるのです。「気に入らないところもあるけれど、それはそれとして、進みましょう」という意味です。

「正しい、間違っている」を口に出し始めたら、イライラしたり、相手を攻撃したりして戦闘態勢になっている証拠。性格が悪くなって、ロクなことはありません。

「こうじゃないと!」と決めつけているから、納得できないのです。

「ま、いっか」は、そんな“執着心”から、心を自由にしてくれる言葉です。

イヤなことを我慢する、問題を避けて事なかれ主義になる、というのではありません

「他人のこと」や「過去のこと」など、どうしようもないことを考えても、自分を傷つけるだけ。「ま、いっか」と言えたら、自分もまわりも肩の荷を降ろせるのです。

自分の過ちを責めてしまうときは「ま、いっか。そのときはそうしたかったから」。

同僚にイライラする人がいるときは「ま、いっか。そんな人だからしょうがない」。

人生で深刻になることは、それほど多くありません

どんなことが起きても、「ま、いっか」で楽観的に進みましょう。

「許せないこと」に執着していると、人生の時間を無駄にしてしまいます。