起業準備中の無職の男性と結婚した理由

【A子】私は実はバツイチなんです。最初のダンナとは国際結婚でした。が、あまりの束縛と共同生活を送る上での甲斐性のなさ、男性としての頼りなさに我慢できなくなり、さんざん揉めた挙句に離婚しました。

その後、派遣会社に勤務していて、その仕事上での取引相手だったのが今の主人です。

【B美】私は学生のころ、バイトしていたら主人がお客さまとして来て、猛烈に口説かれたんです。当時彼は20代でしたが、すでに起業してかなり儲かっていたようです。

私の第一印象としては太っているただのおっさんでしたが(笑)、話は面白いし、自分の知らなかった世界を見せてくれるし、お金の使い方もきれいだし、何より尊敬できるところに惹かれました。

【午堂】お二人は世間的にはいわゆる「セレブ婚」ですが、実際はどうですか?

【A子】確かに彼はすごく稼いでいるし、私の年収も8ケタあるから、今はお金には余裕があるほうだと思います。

でも結婚当初、彼は勤めていた会社を辞めたばかりで起業準備中の無職。私も子どもが生まれて主婦だったから、お金はどんどん減っていった時期もあったし、彼の仕事の調子が悪くなって、自己破産を覚悟したこともありました。

でも私は、それで別れようと思ったことはまったくないんです。彼と一緒ならなんとかなると思っていたし、彼と一緒にいられるだけで幸せだったから。

【B美】私は以前CAをやっていて、子どもが生まれたあとは専業主婦でした。

でも、そんなに経済的にラクなときばっかりじゃなかったですよ。実際、夫の収入がゼロというときもあったんです。忙しそうにいろいろやっているのになかなか実らず、そんなときはやっぱり険悪な雰囲気になったこともあります。でも私は彼を信じていたし、なんとかなると楽観してましたね。

「セレブ婚」は狙ってできるものではない

【午堂】なるほど、お金があるなしではなく、状況をポジティブに捉え、パートナーを信じることが大事なのですね。

【A子】だって、相手の経済力を目当てにしていたら、お金がないときに一緒にがんばれないでしょ。セレブ婚なんて狙ってできるものじゃなく、一緒に育てていくものだと思う。

【B美】特に経営者なんて必ず浮き沈みがあるんだから、今の年収がいくらなんてあてにしない方がいい。相手が稼げないなら、自分が働いて稼げばいいというくらいの覚悟があれば、何だって乗り越えていけるしね。

【午堂】そんなお二人は、今は自分のビジネスを立ち上げ、ご自身でも稼いでいるわけですが、ご夫婦そろって事業家だと、家事や育児に支障が出ませんか?