天然であるほどリスクがある
「天然成分由来」や「植物エキス」と書かれていると、つい安心・安全だと感じますが、その感覚は残念ながら間違っています。
なぜなら、「天然=何が入っているかわからない」ともいえるからです。
まだ解析しきれていない成分が混入している可能性もありますし、自然界のものは天候や産地によって左右されるので、品質にもバラつきもあるでしょう。
そして植物のなかには、毒性があったり、かぶれやアレルギーの原因となる成分があることも忘れてはいけません。たとえば漆などがそうですし、漢方にステロイド類似成分が含まれていることもあります。
植物由来だから万人に合って安心であるとは、けっしていえないのです。
「合成」のほうがむしろピュア
一方、「合成」と名がつくものには、なぜか肌によくないイメージがありますが、じつはそんなことはありません。
合成成分とは、自然界に存在する薬効成分を特定して、それを化学的につくり出したもの。ひとつの成分にフォーカスして生成されたものですから、曖昧で未知なるものを含む「天然」よりも、むしろピュアなのです。
もちろん、植物成分のすべてを否定しているわけではありません。植物ならではの心地よさや香りのよさもありますし、それが自分に合っていて肌にトラブルが起きないなら、使うことに何の問題もありません。
ただ、天然であるがゆえのリスクもまた、知っておいていただきたいと思うのです。
パラベンは肌に良くないのか
みなさんはパラベンにどんなイメージをお持ちでしょうか? 肌によくないと思っている方もまだまだ多いようです。そのせいか、「ノンパラベン」「パラベンフリー」など、防腐剤無添加とうたわれるスキンケア商品も数多く見られます。
「防腐剤」とはその名のとおり、商品の腐敗を防ぐために配合されている化学添加物のこと。もちろん化粧品だけではなく、食品や医薬品などさまざまなものに入っています。
そのなかでも馴染み深いのがパラベン(パラオキシ安息香酸エステル類)ですが、パラベンは本当に肌やからだによくない成分なのでしょうか?