投資リスク=損をする可能性ではない
投資を始めた人、これから投資をやってみようと思っている人たちが、投資に関する本やコラムの記事などを読むと、必ず目に付くフレーズがあります。それは「投資をするのなら一喜一憂せずに長期投資を心がけてやりなさい」ということです。この文言は別に間違ったことを言っているわけではありません。
ところがその理由について「長期投資ならリスクを低下させることができるから」と語られることには注意が必要です。なぜなら「長期投資はリスクを低下させる」というのはある意味正しいのですが、別な意味では明らかに間違っているからです。今回は誰もが間違いやすい長期投資について、少していねいにお話をしたいと思います。
そもそも投資における「リスク」というのは、どういうことなのでしょうか。リスクという言葉には色んな意味がありますが、投資の世界でリスクと言えば、必ずしも損をするという意味ではなく、「投資をした結果が一定ではなく、ブレること」を言います。したがってリスクが高いというのは「たくさん儲かるかもしれないけど、同じぐらいたくさん損をするかもしれない」という意味なのです。
ところが投資にあまり詳しくない人はそうは考えません。多くの人はリスクとは「損をする可能性」だと考えます。投資以外の世界では、リスクはしばしば危険とか損をするという意味で使われていますから、そう理解しても不思議ではありません。というよりも恐らく世の中の9割以上の人は投資リスクのことを「損をする可能性」と理解しているでしょう。