求人は急増中!

大企業は使える交際費や経費が潤沢にあります。中には未上場で、大手ベンチャーと呼ばれるような規模感の会社だと大手企業よりも資金力があることもありますが、大半のスタートアップやベンチャー企業は、経費として使える額がかなり少ないです。社内外にコスト意識が求められるため、接待などで使えるお店のランクも、大手企業に比べるとどうしても下がってしまいます。大手企業にいる時の感覚でいると、飲んでばかりで経費を使うだけの大企業出身者と思われてしまうので注意が必要です。

ここまで見てきたように、大手からベンチャー・スタートアップに転職した人が陥りがちな後悔と失敗のパターンとしては以下のようなものがあります。

・“大手プライド”が抜けきらない
・若い人材に物足りなさを感じる
・大手ブランドの力で出した成果をはき違えている
・マネジメントしかやらない
・仕事が増え、収入が減ることが不満
・経費など金銭感覚が大手時代のまま

新しく、自由なイメージのあるベンチャー・スタートアップですが、メリットもあればデメリットもあることを知ってほしいと思います。

職業柄、毎日欠かさず求人のチェックを行っているのですが、ここ最近、ベンチャー・スタートアップ企業の求人広告が非常に増えてきています。なぜ今、求人広告が増加しているのかというと、おそらくはこれまでスタートアップへのVC(ベンチャーキャピタル)からの投資が2000億、3000億と来て、昨今では4000億にまでなったと言われており、資金調達に成功した会社が事業拡大のために積極的に人材確保に向けて動き始めているからだと思われます。ベンチャー・スタートアップ企業への転職を考えている人にとってはまさに今がチャンス。自分の志向が本当にベンチャー・スタートアップに合っているのかどうかをしっかりと見極めた上で転職活動に臨んでください。

写真=iStock.com

高野 秀敏(たかの・ひでとし)
キープレイヤーズ代表取締役

新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして55社以上のアドバイザー・社外役員・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。