転職先で言ってはいけない言葉

大手からベンチャー・スタートアップに移るとなると、「大手にいた」というプライドが災いしてスタートで大きくつまずく人がいます。入社してすぐに結果を出そうと躍起になったり、「○○○○ではこうしていた」「大手ではみんなこうしている」と、大手でのやり方を押し通そうとしたりして、職場の人たちと険悪なムードになってしまうのです。

もちろん企業側は大手企業での経験に期待をしていますが、転職後に大事なのは転職先の雰囲気に早く馴染なじみ、元からいるメンバーとの人間関係を構築していくこと。良好な人間関係を築くことができなければうまくいくものもうまくいかないのは想像ができるはずです。大手企業での経験はもう過去のこと。「郷に入っては郷に従え」の気持ちで臨み、謙虚な姿勢で新しい職場でのやり方を覚えることに徹する必要があります。

“使えないおばさん”扱いされる覚悟も必要

ベンチャー・スタートアップは、20代を中心とした若い人たちが活躍している企業がほとんどです。経営幹部以外は社会人としての経験が浅く、前職のようなレベルでの仕事の進め方、考え方や意識の持ち方は通用しない会社が圧倒的に多いと思っておいてください。学生気分の抜け切らない社員や今まで出会ったことのないキャラクターのメンバーも多くて、戸惑うこともあると思います。それでも、メンバーや会社を成長させることでより意識の高い人材を集めてこようと考えられる人はいいのですが、現状に物足りなさを感じたり、ストレスを覚えたりするような人は、ベンチャー・スタートアップ企業には向いていないかもしれません。

また、年齢が若く、社会人経験は長くはないものの、ITなどの専門スキルや知識に長けている人がベンチャー・スタートアップには比較的集まっています。転職後、10や20も年下の彼らから仕事を教えてもらったり、時には使えないおじさん・おばさん扱いをされてしまったりするということを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

大手企業からベンチャー・スタートアップ企業への転職を希望すると、ニーズがたくさんあり、驚くことでしょう。これが理由で自分を過大評価してしまう人が多いのですが、転職後も前職までに付き合いのある取引先と同様のビジネスができるかというと、答えはノーです。個人の能力を評価してくれて、転職後もこれまでと同様に付き合ってくれる取引先もありますが、大手という企業のブランドがあったからこそビジネスが成功していたのだということを自覚しましょう。それをきちんと理解していないと、思うような結果を出すことができずに苦しむことになります。