好景気、売り手市場、女性活用など、何かと明るい話題が多い転職マーケットですが、それは40代以上にも同じことが言えるのでしょうか。そこで、各業界の中途採用に精通するヘッドハンターの方々に、年収800万円以上を目指す40歳以上の転職事情について聞きました。第3回目のテーマは「40歳を過ぎてからの転職で気をつけたほうが良いこと」です。
【へッドハンター】
左:<メーカー>畑 圭一郎(経営者JP​)
中央:<金融>下田 由紀(エンワールド・ジャパン)
右:<流通小売サービス>原田 周作(エグゼクティブ・ボード)

転職成功のカギは「価値観の共有」

——転職活動において何か興味深いエピソードはありますか?

下田 由紀(エンワールド・ジャパン)
<金融>下田 由紀(エンワールド・ジャパン)

【下田さん】最近男性側が配偶者の意見を取り入れる方が増えてきて、転職先を案内して話が進むと「妻に確認してもいいですか?」と自分で決断されない方が増えたと感じます。今、妻の形も多様性に富んでいて、いわゆる専業主婦の方もいれば、フルタイムでバリバリ働いている方もいるので、自分の転職のせいで自分の妻に負荷がかかるかかからないかが、転職の重要なファクターになっているようです。逆に女性が「夫に相談してもいいですか?」というのはほとんど聞いたことがないですね。

【畑さん】確かに、ほとんど聞きませんね。

【原田さん】それはそうかもしれません。働く女性の数は以前に比べるとかなり増えましたが、管理職を任されたり、経営面に関わったりするような仕事に就いているような女性はまだまだほんのひと握り。そこで活躍している女性たちというのは、男性以上にサバサバとしていて、強い決断力を持っていると思います。なので、自分のキャリアのことは覚悟を持って自分で決断して、道を切り開いて行く方が多い印象です。

【畑さん】それはそうですね。同じ女性でも職位にもよるかもしれませんが、エグゼクティブ層といわれるポジションに就いているような方は、男性以上に決断力があり、責任感があるように感じます。

【下田さん】実際、転職して成功されている方というのは、夫と価値を共有できている人です。「家庭があるから週2回しか残業できません」と会社に訴えるのではなく、「仕事が好きだから仕事がしたい」と言って、夫に理解と協力を求めていますよ。