考え抜いて選んだ贈り物でも、渡し方に失礼があったら台無しになることも。こんなときどうすればいいの?と迷ったときのマナーを、専門家に教えてもらいました。

贈り物選びの注意点はありますか?

急に準備をした印象を与えてしまわないよう、贈り物は事前に準備をしておき、訪問先の近くで購入することは避けましょう。また、贈る相手が希望しているとき以外は一般的に避けたほうがよいとされている品もあるので、覚えておきましょう(表参照)。

のし紙は、かけたほうがいいのでしょうか?

贈り物は奉書紙で包んで水引をかけ、のしをつけるのが正式ですが、現在は水引やのしが印刷された「のし紙」を使用するのが一般的です。目上の方やあらたまった贈り物の場合にはのし紙をかけ、表書き(目的と贈り主名)を書きます。たとえば会食時にお渡しする手土産なら「粗品」「御礼」、少しカジュアルな場合は「心ばかり」といった目的を水引より上に書きます。水引より下に名前をフルネームで書きます(会社として贈る場合は、一般的には社名を書きます)。毛筆や筆ペンなど、太く濃い文字が書ける筆記具を用いましょう。表書きを書かない「無地のし」は、親しい間柄やちょっとした贈り物の場合に使用します。

のしは本来、あわびをのばして干したもので、生命の象徴とされています。そのため、弔事のときや肉や魚といった生ものの贈り物には使用しません。弔事のときにはのしが印刷されていないかけ紙を、また生ものを贈る際は水引だけのかけ紙を使用します。


イラスト=カトウミナエ、以下すべて同じ

「内のし」と「外のし」の違いはありますか?

「内のし」は、品物にのし紙をかけた後、上から包装紙で包む方法です。控えめにしたい場合や内祝いなどで用います。配送の場合も、のし紙が汚れないので内のしがよいでしょう。「外のし」は、品物を包装紙で包んだ上からのし紙をかける方法です。直接お渡しする場合や、先様に多くの品が届く場合に誰からの贈り物かがわかるように外のしにします。

お中元やお歳暮にも、のしがいりますか?

お世話になった方に日頃の感謝を込めて贈るものなので、のしをかけます。目的部分は「御中元」(7月初旬~15日。地域によっては8月15日まで)、「暑中御伺」(立秋頃まで)、「残暑御見舞」(立秋以降の8月末頃まで)、「御歳暮」(12月初旬~25日頃)、「御年賀」(年明け~松の内)、「寒中御伺」(松の内を過ぎてから立春前まで)です。お中元やお歳暮はお祝いではないので、お返しはしなくても失礼にあたりません。