食事の作法は、“郷に入っては郷に従え”

食事はコミュニケーションをとる絶好の場。お国柄が反映された作法にのっとってビジネスパートナーと一緒に土地のものを味わえば、良好な関係が築けます。食の話は盛り上がるので、世界中でブームの和食のネタを披露しながら食事を楽しむのも手。

[中国]円卓オーナーに従う

中国の食事の席では序列があり、主催側のボスが“円卓オーナー”となって場を仕切ります。「君はコレを食べて」「コレを飲んで」などと指示するのです。中国はメンツの国。ボスの顔を立てるために、勧められたものは理由がない限り断らないこと。酒に弱い人は「随意」(「自分のペースで飲ませて」の意)と言って断ってOK。

[インド]ベジタリアンを尊重する

インドの食習慣を語るときに避けて通れないのが菜食主義者の存在。非暴力・非殺生を説くヒンズー教徒の多くが実践しています。ベジタリアンのビジネスパートナーと食事する際は相手の食スタイルを尊重しましょう。自分も野菜だけをとるべき?と迷うかもしれませんが、相手に合わせなくても失礼には当たりません。

[中東]酒は飲まない

イスラム教徒は戒律によって飲酒が禁じられ、逮捕されることも。そのため、中東諸国では多くのレストランに酒がありません。酒好きには辛い環境です。また、イスラム教徒とユダヤ教徒は、豚肉を食べることを禁じられています。このように、宗教によって食のタブーが存在することを覚えておきましょう。

構成=安井洋子

白藤 香(しらふじ・かおり)
グローバルビジネスコンサルタント

日本、欧米の上場企業に勤務し、独立。SPCC-TOKYOラボ所長。世界で新事業、新市場の開拓を行う。著書に『90日間で世界のどこでも働ける人になる!』(総合法令出版)など。