――みなさんは主に何のために貯蓄されているのでしょうか?

【香:ジェニー】やっぱり、老後のためかな? 働けなくなってからのことを考えると、すっごく不安です。

各国の年金制度と教育費事情

【シ:メイリン】私も。しかも、シンガポールって公的な年金制度があんまり充実していないんです(※①)

【印:アイラ】あ、それはインドもそう。だから私も老後資金と、子どもの教育資金のために貯めています。

【米:リサ】私は特に、何のためとは決めていません。とりあえずローンを返さなきゃ、で精いっぱい。

【仏:アリーゼ】大きなローンがあったら、それを返すほうに気を取られますよね。私は独身ですし、旅行や食事など、今楽しむことにお金を使うほうですね。

【独:ミア】私も家を買いたくて貯めています。ただ、1つドイツ人で良かったのは、子育てにあんまりお金がかからないこと。教育費はタダ同然だし、「子ども手当(※②)」も毎月約190ユーロ(2万円強)が最長25歳まで給付されるんです。

【仏:アリーゼ】フランスも一定条件を満たすと手当が出るし、教育費は幼稚園から高校まで、公立校は原則タダ。しかも、子育て世帯は減税される。だから、この先子どもが生まれても、急にお金が必要になる心配はないんです。

【米:リサ】いいですね。米国も減税措置はあるけど、教育費は高い! 学費だけじゃなくて、デイケア(保育所)やベビーシッター代も高くて大変なんです。欧州は本当に子育て世帯に優しい国が多いんですね。

【香:ジェニー】香港と違いすぎる! 私は独身だからまだ関係ないですが、香港は教育にお金を惜しまない人が多いですよ。子どもの大学卒業までにかかる教育費の目安は100万香港ドル(約1400万円)とか。

▼Keyword ①
「シンガポールの年金制度」
シンガポールの年金制度は「積立方式」。積立方式は、自分の年金を自分で積み立てる。日本は「賦課方式」で、現役世代が支払った保険料がそのときの年金受給者に支払われる仕組み。積立方式だと、積立額より受給額が少なくなることはないが、それだけで暮らしていけるほどの金額は用意しづらい点が、デメリットとされる。
▼Keyword ②
「ドイツの子ども手当」
ドイツは子育て世帯への社会保障が手厚い国。子ども手当は子どもが生まれてから18歳まで、あるいは教育が終わるまで(大学や専門学校を卒業するまで。最長25歳)毎月支給される。金額は月額2万円強で、日本のように子どもの年齢に応じて減額されることはない。ドイツ在住の外国人や海外に住むドイツ人も制度を利用できる。