面接官のタイプと会社の課題を見極める

35歳以上で転職活動に臨むのであれば、面接の場では瞬時に面接官のタイプを見極めて、面接官が好むような話し方を心がける必要があります。そうでないと、どんなにアピールを重ねても徒労に終わってしまう可能性が高いからです。

例えば左脳型タイプの人は、論理的に話そうとします。相手の話も整合性がとれているかを考えながら聞いているので、論理的に話すほうが好まれるでしょう。数字やデータを具体的に上げながら自分のキャリアについて説明すると効果的です。逆に情緒的な発言が多い右脳型タイプの面接官には感情に訴えかける話し方をしたほうが有効。やる気をアピールしたり、共感を得られるようなエピソードを上げたりするといいでしょう。

また、面接では企業側が何を求めているかを探り出すことも重要です。どんな人もできる限り自分の強みをアピールしようと努めると思いますが、そのアピールポイントがズレていたとしたら……? 結果は言わなくてもわかりますよね。

面接で受かるのは、面接での会話を通じて企業側の課題を抽出し、「私が入社したらこんなふうに状況を変えられますよ」とアピールができる人です。「この人を採用したらこんなメリットがあるのか。会社が良くなりそう!」と、面接官をわくわくさせることが大事。それができれば、間違いなく次の選考に進むことができると思います。

「カジュアル面談」に気を抜いてはいけない

ベンチャー企業などでよく行われているカジュアル面談も要注意です。カジュアル面談とは、企業の担当者と気軽な雰囲気の中で話をする機会のこと。昨今、人材の採用が難しいので、少しでも企業に興味を持っている求職者と直接話をしたいと考える企業が取り入れている採用方法です。このカジュアル面談の案内には、「相互の理解を深めるために、ざっくばらんにお話しましょう。当日はスーツではなく、普段の服装でお越しください」などと明記されていることと思います。このような案内を受ければ気楽に考えてしまうのも無理はありませんが、丸腰で臨むと見事に玉砕します。なぜなら、カジュアル面談といっても実質は面接だからです。

企業側は、普通に会話を交わしながら求職者の人となりややってきたこと、そして、その企業でやってみたいことを確認し、最終的に「一緒に働きたいかどうか」を判断します。会話の流れを読みながらさりげなくアピールしなくてはならないので、むしろ通常の面接よりも難易度が高いとも言えるでしょう。