お腹の調子の良しあしは、体調管理のバロメータ
「カラダとココロの養生法」
この時期は疲れにともない、お腹を壊しやすい時期です。夏バテでご飯が食べられなかったり、食中毒でお腹を壊したり、下痢や便秘などの消化不良などを頻繁に起こすでしょう。食べ物を消化吸収することでエネルギーを得るわれわれにとって、お腹の調子はとても重要であり、お腹の調子が悪いと疲労回復ができないうえ、気分をコントロールしてくれるような脳内物質も合成できなくなります。だからこそ。お腹の調子を整え、カラダも気分も整えることが大切です。
お腹の調子を整えるために必要なことは、お腹のコンディション、腸内フローラの調整です。一般的に、肉類や魚介類、乳製品などに含まれている動物性タンパク質や脂肪が多い食事に偏ってしまうと悪玉菌が増えてしまいます。しかし、このような食品を摂らないというわけにもいきません。そこで、腸内を元気にしてくれる善玉菌を多く摂取し、腹内フローラを整えることが大切なのです。善玉菌である、ビフィズス菌や乳酸菌、納豆菌などはの発酵食品に多く含まれており、腸内フローラを整えてくれます。そのため、納豆や乳製品(ヨーグルト、チーズなど)、こうじ類(味噌、醤油、みりん、日本酒など)に加えて、善玉菌のエサとなる食物繊維(ゴボウ、ニンジン、オクラ、ホウレンソウなど)やオリゴ糖(玉ねぎ、ゴボウ、ネギ、バナナ、大豆など)を積極的に摂取し、カラダを整えるようにしましょう。
なお、正常では善玉菌のほうが悪玉菌よりも多く存在しているとされていますが、肥満の人の腸内フローラの分布は大きくくずれていることが知られており、近年では癌や糖尿病などでも腸内フローラのバランスがくずれていることは知られています。このように、腸内フローラの変化は、栄養を吸収できないだけでなく、将来的には病気にも発展するので注意が必要です。
「食養生」
この季節は豆類を多く取ることが大切です。豆類は、消炎作用や充血作用、清熱作用がある食べ物であり、消化を助けてくれる役割があります。そのため、うつやストレスの解消にも役に立ちます。また、大豆には大豆イソフラボンという女性ホルモンの原料が多く含まれていることから、更年期などの女性のトラブルにも有効です。
「お勧めのツボ」
大暑を乗りきるためのおすすめの、足の外スネにある足三里(あしさんり)というツボは、お腹の働きを活発にしてくれるツボです。場所は、ヒザの外側でお皿の下から指4本分下がった部位で、一番くぼんでいるところです。昔から足三里にお灸を据えることは、疲労回復につながると考えられています。なお、内臓の調子を整えるには、ツボを圧迫するよりは、お灸のほうが効果的です。熱さを感じるまで何個かお灸を据えてみましょう。