無意識で連発しやすい「でも」
3つの否定ワードの中で、いちばん厄介なのは「でも」。
「でも」は、本来立派な接続詞であり「自分の意見は少し違いますよ」という意思表示ですから、もちろんこれ自体は悪い言葉ではありません。けれど、あまりに意味もなく「でも」を使っている人の多いことといったら……。せっかくのほめ言葉や、同意の言葉にも「でも」を万能な接続詞のように、しかも自分では気づかないまま使っている人はいませんか? 言っている側としては悪気がなくても、すべての会話の頭に「でも」を付けられては、そのあとにどんなにいいことを言われようが、同意されようが、相手は常に否定されていると感じるか、マウンティングされていると思うかもしれません。
会話は中身が肝心ですが、実は言葉遣い=ディテールが与える印象も重要。単語や接続詞の選び方ひとつで、交渉に大きな差が出るのも決して珍しいことではありません。細やかなところまで気を配り、より円滑なコミュニケーションを目指すのもまた、大人の大切なマナーのひとつです。
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