海外はミス前提社会

日本の文化にミスをしないノーミス前提社会というのがあります。スタートアップや新商品も完璧な状態で出そうとしがちです。しかし、シンガポールをはじめとして、海外はミス前提社会で、ミスをしたらカバーするという考え方だと感じます。

プランをかっちりと決めていないのにとりあえずビジネスをスタートアップさせてしまうという事もよくあります。シンガポールではオープンしたての飲食店で違うテーブルにオーダーがいったり、オーダーが通っていないことがよくありました。しかし、1週間、1カ月と経過すると日に日に改善されていくので完璧にトレーニングをしてからオープンさせるよりも効率的だと感じました。もちろん、開店当初にクレームはいくつか出ていましたが、クレーム対応コストを払っても準備万端にするよりもコストはずっと少なくて済むでしょう。

アプリが徐々にバージョンアップしていくのと同じで、最初から完璧な状態でスタートをしようと思わない方が気軽にビジネスも始めることができます。顧客側も一部の人を除けば基本的には寛容です。シンガポールに来た当初は宅配便を待っていても、いつ届くのか本当に届くのか分からないなど細かいことにイライラしましたが、重要なものはオフィスに送る、通販では極力買わないなどの対策をとればなんとかなると頭を切り変えるようになりました。日本では無料で受けられるサービス料、送料、金融機関の保管料なども海外ではかかるのが前提であって無料で良いサービスがなんでも受けられるわけではないのです。

海外の文化に慣れてしまうと自分自身も融通が利くので、ミス前提社会の方が働いている側も顧客も楽なのではないかと感じてしまいます。日本のように完璧を求めず、動きながら改善していく方が多くの場合は効率的なのです。