ママ社員の活躍は会社にとっても重要事

上司に話す際には「不満ではない形」で伝えることが大切です。何となくの不安や不満をそのままぶつけても、相手の心には届きません。先に自分の中での優先順位を明確にしておきましょう。その上で自分はどうしたいか、どういう環境があればより働きやすいのか、普段のコミュニケーションの延長で話すことができると良いですね。

子育て中なのは自分の都合だからとためらうかもしれませんが、今は、企業側が社員のライフステージに合わせた働き方を用意すべき時代です。労働人口が減る中、子育て中の女性社員が力を発揮できないようでは、会社にとっても大きな損失になります。私自身も、部下がどんな希望を持っているかはぜひ知っておきたいですね。

また、周囲に子育て中の先輩社員がいれば積極的に相談を。インターネット関連企業なら、他にも活躍中の女性は多いのではないでしょうか。先輩や上司とは普段からしっかりコミュニケーションをとって、いざというときには大事な話もできるよう、信頼関係を築いておきましょう。

仕事と子育て、どちらかだけを選ぶなんてできない

私自身も子育て中なので、相談者さんのお悩みはよくわかります。私も、出産後はそれまでのように自由に動けなくなり、キャリアへの不安や思うように働けないストレスを感じた時期がありました。たとえば産前は人脈形成も仕事の一部だと思って、会食をたくさん入れていましたが、産後はセーブせざるを得ませんでした。そのとき思ったのは、「ただ漫然と不安なのが一番もったいない」ということ。そこで、何が不安なのか、自分はどうしたいのかをクリアにして、心の中で折り合いをつける作業をしました。

私にとっては子育ても仕事もそれぞれに大事で、どちらか一方だけを選ぶなんてできない。それなら、どちらもできる範囲で精一杯やろうと思ったんです。仕事面では、徹底的に効率化を図る、極力出張はせず遠方や海外での会議はスカイプで参加する、夜の会食は避けてできるだけ日中に設定してもらう、などの工夫をしました。

子育ての面では、保育園やベビーシッターさん、食材宅配サービスなどに助けてもらっています。不意の出来事に対してもしっかり準備しているつもりですが、子どもは急に体調を崩すこともありますから、これはもうそのときどきで必死に対応するしかない(笑)。仕事関係の人にはこちらの事情や都合をオープンにしているので、みな快く許容してくれています。