お礼状と贈り物は、早く、さりげなく送る

「お金に愛される女性は、お礼の仕方がとても上手です。これこそ必ず身につけておきたい習慣であり、作法と言えるかもしれません」

美月さんは、今まで自分が出会った“お礼の達人”の事例を挙げながら、3つのポイントを教えてくれた。まず1つ目が、「お礼状の文面が定型のものではないこと」だという。

「心に響くお礼状は、よくある文言が並んでいる形式ばったものとは違って、自分だけに向けられたオリジナルの文章がつづられています。そこには女性特有の柔らかさがあって、読むと優しい気持ちになれるんですよね。たとえば一緒に見たもの、笑い合ったものが盛り込まれているのが特徴でしょうか。そして『また一緒に笑い合いたいので、お近くにいらした際はぜひお立ち寄りくださいね』など、読むと思わず笑顔になり、また会いたいと思わせる言い回しでまとめられているのです」

さらに2つ目のポイントが、「お礼のタイミングが絶妙なこと」なのだとか。

「何より驚かされるのが、お礼の早さです。以前、講師を紹介してほしいというお願いがあり、『お安いご用で!』と人材の手配をしたことがあったのですが、その紹介先の女性からお礼の電話をいただきました。それでも十分だったのですが、彼女はその電話で私が咳(せ)き込んでいたのを聞き逃さなかったんですよね。翌日、『ビタミン補給してくださいね』というメモとともに、イチゴの籠盛りが送られてきたのです。どんな薬より効きそうでありがたくいただきながら、そのスピーディーな気遣いに感動したのを覚えています」

そして3つ目には「負担を感じさせないお礼品を選ぶこと」というポイントが挙がった。

「あまりに高額なものは受け取る側が恐縮してしまい、逆に負担をかけてしまいます。仰々しいものよりは、高級チョコレートでも小さな箱のものを選ぶなど、気がきいているものを選ぶことが大切。先日、キラキラした小物がお互いに好きだという話で盛り上がった女性社長がいたのですが、彼女から『お好きそうなもの見つけました!』と、スワロフスキーの小ぶりなキーホルダーが届いて、跳び上がって喜んだことがありました。心に響く贈り物は金額ではなく、人を思う気持ちなんですよね」

だからこそ美月さんは、周囲に小さなお礼をする癖をつけたいという。

「たとえば部下に『ありがとう』というメモとともに小さな差し入れをします。部下は喜び、あなたのために仕事を頑張るでしょう。するとあなたの成績は自然と上がり、昇進の道へと続くはずです。お礼上手は愛され上手、それは人からもお金からも愛されることにつながっていくのです」

●財布は、機能性とデザインを備えた才色兼備なものを
●お礼状は、とにかくスピードが命!
●贈り物は金額をかけすぎず、気のきいたものを