リターンを考えた賢い買い物をする

毎日の食材のような生活用品から、スーツや靴、バッグなどのファッションアイテム、さらに観劇や旅行などの非日常的な体験、そして人生を左右するような不動産まで。私たちは日々消費して生きていると言っても過言ではない。

「それを単なる消費ではなく、“投資的な消費”にすることができるか。この意識の持ち方はかなり重要です」と語る美月さん。

「野菜を買うとき、見切り品のような安いものを選ぶこともできますが、それでは単なる消費に陥っていないでしょうか。シャキッと元気で新鮮なものを選ぶことで気持ちよく過ごせるならそちらを選びましょう。それを明日の自分へのエネルギー投資と考える。買い物の際は、そんな“投資的な消費”を意識してほしいのです」

また、たとえば家族の海外旅行のランクをグレードアップさせてみる。そうすることで気持ちに余裕が生まれ、家族同士、いつもより深い話ができて、帰国後の関係性が豊かになるなど、想像以上の効果が得られる可能性も。

「すると、思う存分仕事にまい進できて、支払った以上のリターンが得られることもあると思うのです。どんな消費も自分がイキイキ働くための“投資的な消費”と捉えること。お金は賢く使ってこそ、稼ぐ力はアップするのです。消費は毎日のこと。その効果は計り知れないものになって、あなたの元に戻ってくるはずです」

収入の余剰分は次のビジネスに回す

給与額が上がったり、臨時の収入があった場合はどうしているだろうか。美月さんは、余剰分こそ次を見据えるチャンスだと言う。

「男性は欲望のままに使ってしまう人も多いのですが、女性はしっかりと貯蓄する人が多い気がします。だからこそ意識してほしいのが、それを次なるビジネスチャンスに使うという選択肢。使うのでも貯めるのでもない、第三の道のために常にアンテナを張ってほしいのです。起業しているならば、新規事業を立ち上げるのもいいし、既存のサービスを充実させて価値を上げるのも手です。また、投資信託や株などを勉強して始めてみるのもいいでしょう」

そこで強化しておきたいのが、あらためて収入と支出のバランスを見つめて、キャッシュフローをしっかりと把握すること。その際美月さんは、支出ではなく収入に注目すべきだと強調する。

「どれだけ使うかは、どれだけ入ってくるかで決まるからです。考えればあたり前の話なのですが、意外とリンクできていない人が多いんですよね。支出は収入を見込んでこそ。意識すべきはキャッシュフローのINなのです」

その流れを把握できれば、どこに余剰分を注ぐべきかが見えてくる。貯め込むのではなく、次の道へつなげる。お金に愛されるためにすぐに始めたい習慣である。

●働く自分を鼓舞するお金の使い方を考える
●つねにキャッシュフローのINを意識する