経営者目線で、社会を見渡す癖をつける
会社は仕事をする場所で、一歩オフィスを出たら、プライベートの自分時間を大切にしたい、そう考える女性も多いだろう。美月さん自身はビジネスシーン以外でどう過ごしているのかを聞くと、「オンとオフの切り替えはとても大切なこと」と前置きをしながら、次のように語ってくれた。
「私の場合、自分がサービス業に就いていたこともあるのですが、プライベートでレストランやエステサロンに行っても、いつもスタッフ目線、経営者目線で現場を見渡す癖がついているんですよね」
このサービススタッフはおそらくこのぐらいの給与をもらっていて、自分の仕事に誇りを持って取り組んでいるのだろう。もしくは給与面や待遇面に不満があるから、この程度のサービスになってしまっているのかも、など。
「ここを修正するだけでもスタッフは気持ちよく働けるだろうなという改善点や、こんなサービスを充実させればさらに売り上げが上がるだろうという経営戦略まで、どんどん思い浮かんでしまうので、実は全然頭が休まらないんです」
そう笑う美月さんだが、物事を客観的に、かつ相対的に見る。また自分軸ではなく他人軸で見る。その視点は自分の本業で役立っていると感じているそう。どんな仕事も顧客のニーズにこそチャンスが隠れているもの。仕事場以外でもそれを意識するという習慣を少しずつでも始めてみたい。
私個人ができることを常に考える
国際線のキャビンアテンダントとして数多くのトップビジネスパーソンを間近で見てきた美月さん。幼少のころから、事業を展開する父親の後ろ姿も見つめてきた。
「お金に愛される人は『自分は何ができる人間なのかを考える』、そんな意識が強いと感じます」
たとえば、話題づくりの一環とはいえ、複数の名刺を持つ人とも多く出会ってきた。
「実はもう一枚……と見せてくださったのが、乗馬クラブのインストラクターの名刺だったりなど、魅力的な人はいろんな顔があるということを学びました」
またCA時代には、不動産投資で成功を収める先輩からも影響を受けたのだそう。
「年齢を重ねても華美な生活をせず、寮に住み続けている方でした。NYへのフライトでも外食には出ず、小さな炊飯器で自炊するような堅実な人だったんです。ただ自分が保有する不動産にはしっかりお金をかける、そういうブレない信念に感銘を受けたんですよね」
視野を広く持ちながら、自分のやりたいことにまっすぐでいる。そういう姿勢を持つ人はお金に愛されるし、好奇心が絶えず湧いてくるから人脈がよどむことがない。
「急に大きな世界を見る必要はありません。自分と自分がいる環境を見つめ直す。お金の循環はそこから始まると思うのです」
●今いる環境でできることの棚卸しを始めてみる
「CA-STYLE」主宰
日系、外資系航空会社の国際線CAとして活躍後、働く女性を支援するCA-STYLEを起業。人材育成コンサルタントとして講演などを行う。著書に『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』(祥伝社黄金文庫)ほか。
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