「タラソテラピー」で、ストレスを消し去る
“タラソテラピー”は、海水を利用して心身を整える海洋療法。ストレス解消や代謝促進など、さまざまな効果が期待できるとあって、ヨーロッパを中心に広く親しまれている。
太平洋に面した千葉県勝浦市にある「テルムマラン パシフィーク」は、自然の力を生かしたそのセラピーを日本で体感できる数少ない場所。1997年の開設以来、健康に敏感な人たちがひそかに通っている。そんなうわさを聞いて、体験してきた。
広大な敷地に立つ平屋建ての施設は優雅な雰囲気で、リゾート気分も味わえる。水着に着替えてさっそく、「アクアトニック」と呼ばれるプールへ。近くの海からくんだ海水を、“不感温度”と呼ばれる35℃前後に温めたこのプール、水質が真水とまったく違う。入った瞬間、「何、これ!?」と思わず声を出してしまったほど水は柔らかく、さらさらとしているのだ。水温が体温に近いせいもあって、水と一体化したような……。そんな不思議な感覚に浸りながら、歩行浴をしたり、ジェット水流で体中をマッサージしたり、シルキーなバブルバスでくつろいだり。
このプールを堪能するだけでも筋肉の緊張がほぐれて生き返るけれど、ここはセラピストによる施術も充実。3種のセラピーがついたコース「タラソベーシック デイトリップ」を受けてみた。
まずは、フランス産の上質な海藻ペーストを塗って体を温める「アルゴパック」。代謝を高めるヨウ素が豊富な海藻のおかげで、汗と一緒に毒素が抜けていくような爽快感。
汗をかいたあとは、海水プールで「ピシーナリラクゼーション」という水治療法を。浮き具をつけ、セラピストに誘導されながらあおむけで水に浮かぶセラピーである。シンプルながら、これが想像をはるかに上まわる気持ちよさ! 今まで経験したことのない完全なる脱力状態で、重力から解放されたような浮遊感を味わえる。セラピストで、施設の本部長でもある村上大介さんが、「このセラピーに魅了されてここへ転職した」というほどイチオシでもある。リラクゼーション効果は抜群だ。
最後に、海水のミストで満たされた暗室に横たわってコースは終了!
全身のコリがほぐれて、たまっていた疲れはどこへやら。この快感を一層かみしめるためにも、夜は同じ敷地内にあるホテルに宿泊するのがおすすめだ。食後に再びアクアトニックでひと泳ぎも可能。心地よく疲れて、深い眠りにつける。
すぐにでもリピートしたい。体が喜ぶ、絶好の場所だった。