【Part 3】開業前に手続きしておくこと

事業を始めるには、健康保険や年金の手続き、届け出など、さまざまな準備が必要です。忘れてはいけないことを把握しておきましょう。

そろえておくべきアイテムってあるの?

事業の業種や形態によっても異なりますが、事業用の名刺、印鑑、預金通帳、クレジットカード、マイナンバーカードは最低限用意しておきたいものです。

イラスト=moko.

特に印鑑は取引や各種手続きの場において、重要な役割を担うアイテム。認印で済ませる人もいますが、事業用の「実印」「角印」「銀行印」をつくることをおすすめします。

事業用の個人口座の開設とクレジットカードの用意も忘れずに。経理作業の負担が格段に軽くなります。ただし、個人事業主はクレジットカードの審査に通りにくいので、できれば会社を退職する前につくっておいてください。

そして最後に、マイナンバーカードの申請を。身分証明書にもなるマイナンバーカードは、書類の提出や報酬を受け取る際に提示を求められることがあります。持っておくと何かと使い勝手がよいはずです。

保険や年金はどうすればいいの?

企業を退職して個人事業を始める人は、「国民健康保険」と「国民年金」に加入する必要があります。

会社員の場合、「被用者保険」「厚生年金」に加入していますが、企業を退職した翌日から、保険や年金の資格は喪失してしまうのです。資格喪失の手続きは勤めていた企業がしてくれますが、国民健康保険や国民年金への加入手続きは、自分で行わなければなりません。退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。

会社員の配偶者がいる人の場合は、事業が安定するまでの間、配偶者の扶養に入れてもらうのも手。条件は健康保険組合ごとにルールが異なる部分が大きいので、まずは組合に相談・問い合わせをしてみましょう。

また、年金額が不安な場合は国民年金基金に加入を。加入すると、上乗せする保険料にもよりますが、会社員並みの年金を受け取れるようになります。詳細は国民年金基金のホームページで確認しましょう。

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