「LEPの3つが揃わないと、人はその人を信用したり、心の通うチームを組んだりできません。やたらと好き嫌いだけで話をするとか、実績もないのに、自分の論理を押し通すとか。話にエトスがない人は、避けられてしまうのです」

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LEPで相手の人となりを確かめるにはある程度時間がかかり、初対面で判断するのは難しい。では、初対面で相手を信用できるかどうかを判断する術はあるのだろうか。

「ウソをついている人、信用できない人は、話しているときに上下の表情筋の動きがズレるのが特徴。口元が先に動き、1秒ぐらいあとから目の表情がついてきます」

口先だけでいいことを言う人、相手を騙そうとしている人は、口元に笑みを浮かべておべんちゃらを言うが、相手の反応を凝視するため、目は一切笑っていないそう。信用できない人を見破るには、できるだけ長く話すことが有効だという。

「相手の話の中に、次第にLEPのズレが浮き上がってきます。調子はいいけれど論理性がない、心地いい言葉を使うけれど具体的な内容がないなど、30分話せばなんとなくわかってくるもの。詐欺師のように口のうまい人には、同じ質問を違う表現で何度も投げかけてみましょう。答えのつじつまが合わなくなってきて、目が泳いだり片方の口角がゆがんだりと不自然さが多くなります」

女性は表情から感情を読み取る能力が高いため、うさんくさい相手を嗅ぎ分ける力も男性より長(た)けている。ただし、その感情を読み取る能力を対男性で発揮する女性に厳しい目を向けるのもまた女性だという。

「若い女性は特に、男性の好みに合わせて『こう言ったほうが喜ぶ』『こんなトーンの声が好き』などを相手の表情から瞬時に読み取り、サッと切り替えるのが得意。ただし、女性は同性のそうした『演じ分ける力』を知っているので、口だけうまくて実力が伴わない女性をすぐに見破ります」

だからこそ、男性が「若い、口だけ女子」にデレデレするのを見て、「何なのあの子!」と怒り心頭に発するのだ。

「信頼性がなく口がうまいだけの実力もない女性に対し、アンフェアな闘いで社会を渡らないで!という『正義の気持ち』が起きるのです」

男女問わず、「話がうまい」人で関わっていいのは、実力が伴い、信頼性のある人だけ。情熱的な「口先人間」にはくれぐれもご注意を。