言葉にしなくても、顔にはさまざまな表情があり、感情や性格を雄弁に語ります。 営業では、相手の機嫌や性格傾向で、営業トークの切り口を変える必要があるのです。交渉を有利にコントロールする、読心術のテクニックをパフォーマンス学の第一人者、佐藤綾子さんが伝えます。
さまざまな情報が読み取れる「顔」
営業活動での出会いは一期一会。初対面の短いやりとりで、相手の好感と信頼を得るのが、まずは成功につながる第一歩です。そのためにはまず、“相手を知ること”が重要となります。できれば同時に、性格傾向まで把握できると、その後の展開をよりコントロールしやすくなります。
でも、初対面で相手の感情や性格まで一握できるのでしょうか? それがあるのです。「顔」――つまり表情です。そもそも顔は、社会的知性が全て凝縮しているパーツ。つまりその人を解読する「キラーパス(サッカー用語から転じて、最適・最強のメッセージのこと。ダイレクトなメッセージのこと。)」なのです。例えば、顔で分かる、主だった感情や性格は下のようになります。
・自信があるかないか
・リラックスしているか緊張しているか
・勇気があるかないか
・自己顕示欲求が強い人か弱い人か
・人を守ってあげたいという擁護欲求があるかないか
・今仕事に成功しているか失敗しているか
・ウソや隠し事があるかないか
・悲しみと喜びの感情のどちらが勝っているか
・欲求が満たされているか欲求不満か
・驚いているか無感動か
・軽蔑しているか尊敬しているか
・優しいか意地悪か
このほか「顔」から発せられる情報から分かる、4つの事柄を紹介しましょう。